バンコクの路上が熱い。タイ人アーティスト達のグラフィティアート。

BTSラチャテウィ付近のグラフィティ

(BTS ラチャテーウィー駅(Ratchathewi)付近の公園にある、ALEX FACEのグラフィティ)

タイの首都バンコクは、実は世界でも有数のグラフィティ都市です。

バンコクへ行ったことがある方ならご存知かと思いますが、街を歩いていると風変わりな「落書き」を目にする機会が多々あります。

チャクラポン通りのグラフィティ

(カオサン通りの横、チャクラポン通りにあるグラフィティ)

実にはた迷惑な物もあれば、「落書き」という一言で片付けるにはもったいない、思わずシャッターを押してしまう優れた芸術作品まで、多くの絵が街角を彩っています。

実はその中には、世界でも著名なアーティストが残した作品もあることをご存知でしょうか。

今回は、そんな知っておくだけで街歩きが楽しくなる、バンコクの素晴らしいグラフィティアートとアーティストにスポットを当てたいと思います。

ALEX FACEの作品

ALEX FACE

www.bkkgraff.com

ALEX FACEは1981年生まれのタイ人アーティストです。

近年ではロンドンのフリーズアートフェアにて描いた作品が大反響を受け、その独創的なタッチが世界的に注目されています。

彼の作品の象徴となるキャラクターである、三つ目のウサギの赤ちゃん「マルディ」を目にしたことのある人は多いでしょう。

サイアムスクエアのマルディ

(サイアムスクエアのマルディ)

プロンポンで見つけたマルディ

(プロンポンで見つけたマルディ)

違法行為としての認識が強いグラフィティアートにおいて、通常アーティスト達は「タギング」と呼ばれるアーティーストネームを介してのみ、その存在を知られることを好みます。

しかし、彼のように高い芸術性が評価され、公の場に素顔を表すことになったアーティストは非常に希少だと言えます。

ALEX FACEのタギング

(ALEX FACEのタギング)

グラフィティアーティストとして注目される要素の中には、作品の芸術性が求められることはもちろん

  • どのように描いたのかが分からない、高所や大きな場所に描かれているもの
  • メッセージ性の強さや、社会に向けてある種の抵抗などを訴えているもの

が挙げられます。

ALEX FACEの作品は、いずれもその要素が高いレベルで備わっていると言えるでしょう。

グラフィティがアートとしてあまり関心を持たれていない日本では、知名度はそこまで高くないです。

しかし、欧米ではとても注目を浴びているアーティストなので、今後もその動向には目が離せません。

サイアムスクエア周辺のグラフィティ

サイアムスクエアと近辺のsoiにも多くのグラフィティが描かれています。

この作品達の作者は殆どが不明ですが、近辺の国立大学「チュラロンコーン大学」の学生も含まれていると言われています。

権威ある国立大学の学生とグラフィティ、なんともクールな組み合わせではないでしょうか。

サイアムスクエアのグラフィティ01 サイアムスクエアのグラフィティ02 サイアムスクエアのグラフィティ03 サイアムスクエアのグラフィティ04

これらは違法性のある所謂ストリートのグラフィティアートとは違い、合法的(許可を得て)に書かれた物なのではないかと自分は思っています。

というのは、雨風への耐久性を考えてこういった作品を作る場合、下地を厚くする為、通常のラッカースプレーではなく、ゴム塗料を使用することが多いからです。

その場合は、仕上げるまでにかなりの時間を要します。

 

これだけ手の込んだ作品をサイアムスクエアで書くには、深夜であろうと人目に触れずに行うことは無理でしょう。

どちらにせよ、ストリートブランド色の強いサイアムスクエアの通りが、こういったアートで染まっているのはファッション感覚を高める傾向にあると思うので、自分としては大賛成です。

ちなみに、どの作品も簡単に発見できる(嫌でも目につく)場所にありますので、立ち寄った際は意識してみて下さい。

FAROの作品

こちらも詳細は不明ですが、「FARO」という人物の作品です。

主にアソークディンデーン通りの、MRT ペッチャブリ駅(Phetchaburi)とMRT プララーム 9駅(Phra Ram 9)両駅の丁度真ん中あたり、高速の高架した付近に彼(彼女?)の作品が多く残されています。

アソークのグラフィティ通り

(画像をクリックするとgoogle mapに飛びます)

 

FAROのグラフィティ01

このアーティストが象徴としているキャラクターは下写真の鶏のようです。至る所で散見されます。

FALOのグラフィティ02 FAROのグラフィティ03

グラフィティアーティストにおいて、こういった主要となるタグやキャラクターというのは非常に重要です。

先ほども述べたように、自分の存在の主張をするのと同時に、特定のコミニュティ内でのメンバーシップにもなっている為です。

一般人が判読できない彼らの落書きを用いて相互に通信し合っているというのも、グラフィティの面白い所です。

バンコクにグラフィティが多い理由

東京でも10年くらい前の宇田川町には多くのグラフィティがあったと思うけど、今はどうなのでしょう?

自分が東京に住んでいた頃には、すでに多くの作品が消されはじめていましたが。

 

自分は、バンコクにグラフィティが多い理由は2つあると思っています。

1つ目は治安。グラフィティの要素として、よく割れ窓理論というのが用いられます。

「こんな落書きばっかの町って、取り締まりをちゃんとしてないってことだよね?」ということです。

wikipediaでは、タギングついて以下のように書かれています。

この行為はその描かれた内容に関わらず公共または個人の財産を汚損しているため、器物損壊の範疇にて取り締まられる。このため、これらタギングを行う個人やグループらは深夜などの人通りが絶えた時間にゲリラ活動的に神出鬼没で「作品」を残すケースも多いとされる。

その一方で既存の都市景観という1つの美意識の結果を損なうこと、当該地域が管理されておらず犯罪に無関心な地域との印象を与え犯罪を誘発する傾向が認められる(割れ窓理論)ため、ヴァンダリズムと判断される。

ja.wikipedia.org

バンコクでは窃盗や賭博詐欺などの軽犯罪が多く、夜道の細い通りは真っ暗で人通りがないです。

当たり前ですが、日本と比べると治安も悪いので、そういった要素がグラフィティやタギングの数を増やしているのかもしれません。

 

2つ目は、観光大国ということもあり、通常の観光地に飽きたリピーター達が珍スポットなどを求めている傾向があるからではないかと思います。

以前、ゴーストタワーと化したBTS サパーンタクシン前の巨大ビル「サトーンユニーク」が、地元タイ人や外国人観光客から珍スポットとして人気を得ていたように、アングラ雰囲気なスポットやカルチャーというのは若者の間で好まれやすい傾向にあります。

そのような傾向がタイの若きグラフィティアーティスト達の気持ちを、より一層高ぶらせているのではないでしょうか。

サトーンユニーク

(廃墟ビルと化したサトーンユニーク)

どちらにせよ、許可なく他人の壁に落書きをすることは犯罪なので、決して行なってはいけない行為ではありますが。

 

【関連記事】

バンコクのレコード屋とタイファンク。音楽的な歴史を紹介する。
(伝説的なロックバンド「ブラックサバス」をカバーした曲。タイ語の響きがかっこいい。)あなたは現在の音楽シーンに満足していますか?正直、あまり満足していない方がほとんどではないでしょうか。退屈な曲はもうたくさん。そう思われた方は是非、このタイファンクという音...
タイで活動する日本人ラッパーMek Piisuaが最近好き。
(Mek Piisua「BULALI シーロム通り」feat.RAPMANIAC, DJ QTEE. 出典:youtube)ここ最近の日本語ラップシーンは、「高校生ラップ選手権」や「フリースタイルダンジョン」の影響もあり、今までにない盛り上がりを見せています。ますますその加熱っぷりから目を離せない国内の...
バンコクで買い物。センスが良い若者向けの店4店舗を紹介。
(CARNIVALの店舗内)自分は所謂ストリート系の服装が大好きで、外国に行った際は必ずガイドブックには載っていないようなセレクトショップを探しに行っています。今回は、自分がバンコク滞在中に見つけたセンスの良い若者向けの店4店舗を「サイアムスクエア」「チットロム」「...
最後までお読みいただきありがとうございました。

各SNSボタンよりいいね!、ツイート、シェアをしていただけるととても嬉しく思います。

記事の保存にはワンクリックでお気に入り登録できるはてブ」「Pocket」が便利です。

当ブログの更新は不定期ですので、自動で更新情報を通知してくれるfeedly」かリアルタイムでプッシュ通知してくれるPush7」で
のがおすすめです。

タイ好きの方はぜひ友達になりましょう。フォローしていただけると喜びます。
BTSラチャテウィ付近のグラフィティ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です