カンチャナブリーの戦場にかける橋。観光前に知っておきたい歴史、バンコクからの乗り方、見どころを紹介。

戦場にかける橋の上で歌うタイの子供達

(戦場にかける橋の上で歌うタイの子供達)

戦場にかける橋は、タイの首都バンコクから西に約110キロ離れた都市カンチャナブリーにある鉄道の名称です。

カンチャナブリー市を代表する観光地であると同時に、バンコクから同市へ列車でアクセスする際の経路としても知られています。

元々は、第二次世界対戦中、旧日本陸軍がタイ-ビルマ(現ミャンマー)間での物資輸送をする為に敷設したという歴史を持っている為、日本人にとっては、戦争における日本と東南アジアの関わりを改めて認識できる場所にもなるでしょう。

 

今回は、戦場にかける橋が敷設された経緯や、列車の運行情報、また列車に乗る際の見どころを紹介します。

タイへ旅行に行く人の中には、橋の観光はもちろん、この列車の旅を楽しみにしている人も多いかと思います。観光前に予備知識を持っておけば、現地に着いてからの楽しみが増すでしょう。

戦場にかける橋

戦場にかける橋02

戦場にかける橋は、カンチャナブリー市街を流れるクウェー・ヤイ川上に架かる300mほどの橋です。

橋は街のほぼ中心地に位置しており、観光客向けホテルやレストランなどは、全て橋の周りに点在しています。

 

(カンチャナブリー市街のMAP。川に架かる赤いラインが戦場にかける橋。その他アイコンは観光地やホテルなど。各施設の詳細を表示するにはアイコンをクリックします。)

 

橋の上を走る電車

戦場にかける橋を通過する電車 通過する電車から見る橋

戦場にかける橋は、”橋”と言ってもレールが設置されているので、電車が通行する線路として立派に機能してます。

線路の上は自由に歩くことが可能です。電車通過時は隅に避けてやり過ごします。日本ではありえない光景ですが、このスリルも観光地としての人気の理由です。

 

この電車はバンコクのトンブリー(Thon Buri)駅から、カンチャナブリー西側の終点ナムトック(Nam Tok)駅まで約190kmの区間を往復しており、同区間の路線名をタイ国有鉄道南本線ナムトック支線と言います。

トンブリーからナムトック

(終点ナムトック駅はミャンマーとの国境近く)

タイ国鉄の代表的な他路線には、線路上の市場として有名なメークロン市場を走るメークロン線もあるので、タイ国鉄自体を利用したことのある人は多いかもしれません。

 

戦場にかける橋が敷設された経緯

戦場にかける橋03

(戦場にかける橋敷設にあたって一番最初に敷かれた部分)

第二次世界対戦中の1942年7月、旧日本軍はタイ側からビルマ側への物資補給ルートとして、戦場にかける橋の敷設を開始しました。

戦場にかける橋は、泰緬鉄道(たいめんてつどう)と名付けられ、翌1943年10月に開通しました。

 

当時の泰緬鉄道は、タイ西部のノンプラドックからビルマ南部のタンビュサヤに至る長さ415kmの鉄道でした。この長さは東京から岐阜県の距離に匹敵します。

戦時中の泰緬鉄道

(当時の泰緬鉄道。出典:Wikipedia

こんなにも長い鉄道をたった1年3ヶ月という急ピッチで敷設した理由は、当時の旧日本軍がビルマへ続く物資補給ルートを早急に陸路で確保しなければならない状況にあったからです。

これは、旧日本軍が元々イギリスの統治下にあったビルマを制圧したのは良かったものの、制海権を米軍に握られてしまい、ビルマへの物資補給ができなくなったためです。

 

旧日本軍は、米英連合軍による反攻を懸念しており、対抗するにはすぐにでも物資の補給が必要だと考えていました。

そこで、同盟国であるタイの政府から許可を得て敷設を開始しました。

敷設には捕虜・労務者も使役された

戦場にかける橋を敷設する人達の人形

(鉄道敷設時の様子)

連合軍の反攻を抑える為、日本軍は急ピッチで敷設にとりかかりました。

敷設にあたって重要視したのはコストや完成度より期間

また、ビルマは険しい山脈に囲まれた国である為、一般の鉄道敷設と同じ手法では時間がかかってしまうことから、まずは繋がりさえすればよく、手抜き工事もよしとされました。

 

こうして開始された鉄道敷設には、日本軍やビルマ人だけではなく、占領地から連行したマレー人、タイ人、ジャワ人、そして連合軍の捕虜、合計で40万人近くの人が働かされたのです。

捕虜

(強制的に連行される捕虜)

険しい山を切り開きながら進む敷設の労働環境は過酷極まりないものでした。

その為、作業に使役された40万の内、半数近くが餓死、過労死、コレラやマラリアによる感染症で命を落としたとされています。

連合軍共同墓地

(連合軍共同墓地<上記地図青色で囲まれた部分>には、作業に使役され亡くなった人が祀られています。)

(捕虜として使役していた当時のイギリス兵捕虜が体験した過酷さを表現した映画。戦場にかける橋の名はこの映画からきている。ちなみに動画内で流れている音楽は「クワイ河マーチ」といって、映画のテーマ曲になっている 。思わず、「サル、ゴリラ、チンパンジ〜♪」と口ずさんでしまう)

こうして完成した鉄道にかける橋ですが、終戦後には連合軍によりミャンマーへ繋がる部分は撤去され、現在のトンブリー-ナムトック間のみの運行となりました。

 

列車に乗ってバンコクからカンチャナブリーへ行く

kanchanaburi_08

(カンチャナブリー駅)

トンブリー-ナムトック間を運行する電車は、以下時刻表を目安に運行しています。

<トンブリー→ナムトック行き電車>

トンブリーからナムトック行きの時刻表

<ナムトック→トンブリー行き電車>

ナムトックからトンブリーの時刻表
電車はカンチャナブリー-ナムトック間を、1日に3往復しています(内2本はバンコクorナムトック方面からの電車をカンチャナブリーで連結)。

バンコクから日帰りで乗るのであれば、7:50のトンブリー発に乗り、12:55のナムトック発で帰ることができます(長い旅になるが)。

 

トンブリー駅

トンブリー駅。電車への乗車料金は区間に関わらず外国人は一律100バーツです。

 

電車内

電車内。外国人観光客が多い。

 

トンブリー駅は、バンコクのカオサンロード西に流れるチャオプラヤー川を挟んだ向かい側にあります。

トンブリー駅の地図

カオサンからのアクセスであれば、タクシーで60バーツ程度、BTSが走るスクンビット界隈からのアクセスであればタクシーで160バーツ程度と考えておくといいでしょう。

 

トンブリーからナムトックまでの日帰り観光を予定している人であれば、カオサンに滞在するのが効率よく観光するのにおすすめです。

カオサン周辺には安いホテルが多く、またワットポーやワットプラケオ等タイの代表的な観光地が近くにあります。

カオサン自体もバンコクを代表するエンターテイメントスポットなので、少ない日数で見所ある場所を多く周ることができるでしょう。

 

カオサンのおすすめホテルについては以下記事を参考にどうぞ。

カオサンロードのおすすめゲストハウス。何度もカオサンに滞在した自分が厳選してみた。
長期の海外個人旅行者、いわゆるバックパッカーが最初に目指す場所、それは今も昔もタイのカオサンです。バックパック旅行を計画している人であれば、様々な世代のバックパッカー達が書き綴っているカオサンに関する情報を、ネットや書籍等で一度くらいは読んだことがあるはず...

カンチャナブリー〜ナムトック間の見どころ

電車での旅は基本的にはのどかな風景が続きますが、カンチャナブリー-ナムトック間には、上述した戦争の爪痕とも言える見所が3ヶ所あります。

まず、一ヶ所目が戦場にかける橋です。

 戦場にかける橋05

 

二ヶ所目が、狭い岩場の間をすり抜けるチョンカイの切り通し

チョンカイの切り崩し

優れた重機がない中、険しい岩場を突貫工事で切り通して作られた道です。

手を伸ばせば岩にタッチできそうなくらいギリギリの場所を通るので中々スリルがあります。

 

三ヶ所目が、アルヒル桟道橋です。

アルヒル桟道橋

旧日本軍が最も苦心して作った道。

崖には頼りなさげな木製の橋が架けられています。この橋を作る為に何人の血が流れたのだろうか、想像するだけでも苦労が伺える。

 

電車の旅においての見所となるのは以上の3ヶ所です。他の場所では風景を楽しみながらのんびりと過ごすことになるかと思います。

日帰り観光ならツアーという方法もある

個人的には、バンコクからの日帰り観光であれば、トンブリー駅から自力で乗車して行くより、ツアーを利用する方が効率的だと思います。

>>>戦場にかける橋 + ナコンパトム観光ツアー【ホテル送迎 + 日本語ガイド付き】

自力で電車に乗って行く場合、トンブリー-ナムトック間の往復だけでほぼ1日を使ってしまいます。また、1日中電車に乗っているのは正直しんどいです

上記で紹介した3ヶ所の見所も往路時に見る時は新鮮ですが、復路時には新鮮さより早く帰りたいという気持ちの方が高まるかもしれません(自分は高まりました)。

上記のツアーであれば、バンコクからの送迎付きなので、電車は見所となる区間だけ乗車、また世界一高い仏塔があるナコンパトムの観光も同時に楽しめます。

ナコンパトム観光ガイド。日帰りもできる世界一高い仏塔がある町。
(プラ パトム チェディー。ナコンパトムの象徴である世界一高い仏塔)バンコク近郊の観光都市と言えば、世界遺産遺跡のあるアユタヤ、王室リゾートのホアヒン、朝まで遊べるビーチリゾートのパタヤなどが有名です。これら観光都市には、「これ」と言える何かしらの観光資源や...

タイトなスケジュールの人や、座りっぱなしはキツイという人には上記ツアーの方が都合が良いでしょう。

 

旅行期間に余裕がある人なら、カンチャナブリーに滞在して、他の観光地も周ってみるのが面白いでしょう。

また、カンチャナブリー駅からの乗車であれば、列車の旅は片道2時間程度で済むので、自力で乗車しても苦にはならないと思います。

カンチャナブリーは旅行者が滞在しやすい環境が整っているので、時間があるなら数日滞在してみるのがおすすめです。

カンチャナブリー市街の観光については以下記事を参考にどうぞ。

戦場にかける橋。タイを観光するならカンチャナブリーもおすすめ。
タイ旅行の醍醐味と言えば、一般的には歴史的な遺跡群や綺麗なビーチの観光、アクティビティにトレッキング、そして夜遊びが挙げられます。しかし、今回紹介する都市カンチャナブリーにおいて、一番の目玉は鉄道です。鉄道は第二次世界大戦中に旧日本軍が敷設したというストー...

それでは、素敵な旅行を楽しんで!

クウェー川鉄道で歌う子供たち

最後までお読みいただきありがとうございました。


いいね!、ツイート、シェアをしていただけるととても嬉しいです。

記事の保存にはオフラインでも閲覧できるPocketはてブがおすすめです。

当ブログの購読には、リアルタイム通知のPush7feedlyが便利です。

ツイッターやってます。タイ好きの方は友達になりましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です