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ワットサムプラン(Wat samphran/タイ語:วัดสามพราน)は、バンコクの隣県ナコンパトムのサムプラン地区に位置する寺院です。
タイには外国人を魅了する異様な見た目の寺院が数多く存在します。ワットサムプランも、そんな”珍”スポットの一つと言えるでしょう。
ワットサムプラン最大の見所は、寺院敷地内にある龍が巻きついた塔。
遠目からでも目立つ赤色の巨大な塔。周囲には高い建物がないため、一層”異様さ”が際立っています。
ジブリの「千と千尋の神隠し」の世界観を思い出させる、神々しくもどこか廃滅した佇まいです。
初めて見た時「なんじゃありゃ!?」と、驚きを隠せずにはいられませんでした。
更に驚きなのは、なんと巻きついている龍の胴体の中を通って最上階まで登れるというのです。
塔の高さは約80m。
ということで、さっそく登ってきました。今回の記事では、ワットサムプランにある龍の塔内部を詳しくレポートします。
ワットサムプランはナコンパトムに位置していますが、バンコク中心街から片道約1時間でアクセスできます。
寺院周辺にはメータータクシーが多く走っているので、往復の交通手段にはタクシーを使えます(片道200バーツ前後)。
あるいはMRT ラックソン(Lak Song)より、84番の黄色バス一本(24バーツ)でアクセス可能です(詳細は後述)。
ガイドブック等で紹介されることは少ないマニアックな場所ですが、珍スポット好きな方は足を運んでみて欲しいです。
圧倒されること間違いなし。
ワットサムプラン(Wat samphran)
(ワットサムプランの入り口)
ワットサムプランは1985年に創建された寺院です。
寺院内にある巨大な龍の塔は、寺院の創始者である僧侶Bhavana Buddho氏が、7日間に及ぶ断食瞑想の最中、夢に出てきたタイの有名な高僧である故ルアン プー トゥアット氏に促され建設に至ったとのこと。
ぶっ飛んだ話に聞こえますが、こうしたストーリーはタイでは珍しくありません。
(下から見上げたドラゴンタワー。その迫力は凄まじい。建築は5年で完成させた)
塔周辺には、建設にあたって寄進した大量の信者達の手形や足跡が残されています。
地元民にとっては有名な寺院のようで、自分が訪れた時は多くのタイ人参拝者を見受けられました。
寺院敷地内には、クイッティアオなどの軽食屋台もいくつかあります。
観光地のような雰囲気です。
ドラゴンタワーの前にある賽銭。
龍の足や手、頭に賽銭用の鉢が置いてあります。見事、鉢に小銭を投げ入れると金運や仕事運が上昇するとのこと。
塔の入り口前にある十二支の台座。自分の干支の上に立って龍の胴体に触れると、運気を寄せられます。
観光情報であまり取り上げられない”曰く付き”の寺院
(龍の爪部分。寺院敷地内には多くのタイ人がいたが、外国人は一人もいなかった)
これだけ魅力ある寺院のワットサムプランですが、公式な観光情報ではあまり取り上げられていません。
バンコクからもナコンパトム中心街からも中途半端な距離に位置している、ということも理由として考えられますが、実は大きな”いわく”があることも理由に挙げられます。
先述したワットサムプランの創始者である僧侶Bhavana Buddho氏は、1988年〜1995年にかけて養子にしたチェンマイやメーホーソン出身の未成年少女を強姦したとして有罪判決を受けています。
一修道院長の大スキャンダルとのことで、寺院は一時期放置され、タブー視された状態にありました。
現在では後述するように塔の頂上に登ることができますが、当時は塔内のメンテナンスも放置され、誰も足を踏み入れられない状態にあったとのこと。
放置されていた当時にワットサムプランへ足を運んだ外国人旅行者の日記を読むと、「怪しい」「塔の上階に閉鎖的な新興宗教団体が住み着いているに違いない」とのコメントも見受けられました。
現在ではきちんとメンテナンスされていて、外国人でも入ることができます。
龍の体内を通ってドラゴンタワーの頂上へ
(ドラゴンタワーの入り口)
ドラゴンタワーは屋上含めて17階建て。頂上へ続く龍の胴体は300メートル。
入り口周辺には、塔をぐるっと囲むように生まれ曜日にちなんだ仏像が安置されています。
(火曜日の仏像)
ワットサムプランでは、まず自分の生まれ曜日の仏像にてお参りをします。
(ドラゴンタワー周辺でお参りセットを購入。20バーツ)
ただ、上記事のお参り方法と一点異なるのは、黄色の花かざりは塔の頂上でお供えするという点。
黄色の花かざりは頂上まで持って行きましょう。
龍の胴体300メートルを登る
龍の胴体への入り口。ワクワクせずにはいられません。
龍の体内。思ったより緩やかな坂です。足腰にまったくこない。50歳以上と思われるタイ人女性もなんなく登っていました。
体内にはライトや扇風機もあり、地面こそゴワゴワとして足裏が少々汚れるものの、問題なく登れます。
以前、放置されていた期間にはコウモリが住み着いて、ゴキブリも大量発生していたと聞きましたが、自分が訪れた時は綺麗に手入れされていました。良かった良かった。
上階の窓から覗く龍のウロコ。
ちなみに、ドラゴンタワーは1・2階と頂上にしか入れません。その他の階は行事の際にしか開放されないとのことで、自分が行った時は3階〜16階までは閉鎖されていました。
頂上からの景色。緑が多くて清々しい。雨季に行ったのですが、雨が降らなくて良かったです。
円形の塔なので、360度パノラマで景色を楽しめます。
最上階に安置されている仏像。ここで黄色の花かざりをお供えします。
龍の頭。間近で見ると、少々安っぽい造りに感じられましたが、迫力は凄い。
最上階のライト。めちゃくちゃ格好良いデザインです。日が暮れると灯りが付くのでしょうか。ライトがついた様子も見てみたいです。
ドラゴンタワーだけじゃないワットサムプランの見所
ワットサムプランの敷地内にはドラゴンタワー以外にも、スケールの大きな見所がいくつかあります。
チャチュンサオにあるピンクのガネーシャみたいな雰囲気。
亀の形をした洞窟。口が入り口になっていて、地下道に繋がっています。地下道には仏足石(Wiki)が安置されています。
仏足石。
本物の象の1.5倍はあるサイズの象。
この象は先述したBhavana Buddho氏が、これまた夢の中で象に促された作ったという、ぶっ飛んだエピソードがあります。
象の足に触れ、続いて自身の足に触れることにより、象のような力強い足腰を持てると信じられています。
その他、巨大なクジャクの像や仏像など。
スケールが大きいので視覚的に楽しめる要素が多いです。テーマパークのよう。
うーん、バンコク郊外にこんな場所があったとは驚き。
ドラゴンタワーも含め、寺院内の滞在時間は1時間30分くらいと言ったところでしょうか。
退屈のない1時間30分でした。外国人にとっては知名度こそ低いものの、確実に足を運ぶ価値のある場所だと言えます。
バンコクからワットサムプランへの行き方
以下はワットサムプランの位置を記したGoogle Map
バンコクからのアクセス方法は、以下の3つ。
- タクシー
- 路線バス(MRTラックソンより84番の黄色バス)
- ツアーを利用する
タクシーの場合、どこから乗るかによりますが、片道350バーツ程度を見ておくと良いです(所要時間は約1時間)。
路線バスであれば片道24バーツ。
ただし、タクシーを使う方が良いかもしれません。この84番の黄色バス、どういうわけだか、30分近く待てども待てども来ませんでした。
しびれをきらしてタクシーに乗った瞬間、しれっとバス停に到着していました。
ワットサムプラン周辺は、バンコク中心街ほどではありませんが流しのタクシーが走っています(10〜15分に1回くらいは寺院前の大通りを通りかかる)。
帰りの足もタクシーを使えます。
交通費は少々高いですが、手っ取り早くタクシーで行くのがベター。
海外旅行に慣れていない人は、後述する日本語ガイド付きのツアー利用がおすすめ。ワットサムプラン周辺はタイ語しか通じないローカル地域なので、ガイドがいる方が安心です。
タクシーでアクセスする
タクシーで行く場合は、運転手にワットサムプランのタイ語表記「วัดสามพราน」を見せましょう。
<ワットサムプランの住所>
- タイ語 =92 ตำบล สามพราน อำเภอสามพราน นครปฐม 73110
- 英語 =92/8 Moo 7, Sam Phran, Nakhorn Pathom, Bangkok
ワットサムプランの最寄り駅を強いて挙げるならMRT ラックソン(Lak Song)です。
(ピンク色の四角で囲んでいるのがMRT ラックソン。MRTシーロムから13駅。MRTファランポーンからだと11駅)
バンコク全体の路線図を把握するには、以下の路線図アプリをダウンロードしておくと便利です(オフラインでも使えます)。
バンコックメトロ
Federico Zanetello無料posted withアプリーチ
MRT ラックソンからであれば片道40分程度、運賃は約200バーツでアクセスできます。
路線バスでアクセスする
(ワットサムプラン近くを通る84番の黄色エアコンバス。方向幕にはปอ.84の表示)
ワットサムプランへ行く路線バスは、方向幕に「ปอ.84」と表示されている黄色のエアコンバスのみです。
他に存在するオレンジ色や赤色の84番バスはワットサムプランへは行かないので要注意。
ワットサムプラン目の前には”Benyaphat School(タイ語:โรงเรียนเบญญาพัฒน์)”というバス停があります。
BTS ラックソン(Bang Wa)の2番出口付近のバス停より84番の黄色バスに乗りましょう。
(MRTラックソンの2番出口を降りてUターンするとバス停がある)
バス停
(路線バス車内。土日の日中は混み合っていて中々座れない)
ワットサムプラン前のバス停『Benyaphat School』に停車する全てのバス系統番号や、MRT ラックソン以外からのバスの乗り場については
以下のViaBusというバンコク路線バスMAPアプリを活用すると簡単に把握できます。
ViaBus
Intouch Marsvongpragorn無料posted withアプリーチ
アプリの詳しい使い方については、以下の記事を参考にどうぞ。
⇒バンコクの路線バスを乗りこなせる便利な路線図ルートアプリ『Via Bus』
帰りもワットサムプラン前のバス停より、同じく84番の黄色バスでバンコク(MRT ラックソン)へ帰れます。
(ワットサムプラン前のバス停)
行きも帰りも運賃は24バーツです。
ただし、帰りのバスも中々来ませんでした。待つのが面倒だと感じたら、タクシーでサクッと帰りましょう。
日本語ガイド + 送迎付きのツアーを利用する
海外旅行に慣れていないは、以下のツアー利用がおすすめです。
催行会社への問い合わせや緊急の連絡も日本語で可能なので、何から何まで安心と言えるでしょう。
(予約後は上写真のバウチャーがメールアドレスに届きます。バウチャーをプリントアウトするかスマホに保存して持参しましょう)
上記ツアーであれば、ワットサムプランの観光に合わせて人気インスタ映えスポットのワットパクナムとレッドロータス水上マーケットも1日で回れます。
自力だと1日で3ヶ所も回るのは不可能ですが、ツアーであれば送迎バンでの移動なので可能です。
3泊や4泊など滞在時間が短い人ほど、こうしたツアーを利用した方が効率良く時間を使えます。
また、ガイドは写真係にもなってくれます。
ワットサムプランの開放時間
- 毎日6:00〜18:00まで
- 公式サイト
バンコクから行くマイナー寺院の観光が面白い
とにかく面白い場所でした。ご覧の通りの見た目なので、インパクトの大きさ言えばバンコクからアクセスできる寺院の中では上位に入る場所と言っても良いのではないでしょうか。
本来、龍は中国において皇帝や権威の象徴として用いられているようですが、我々現代人からすると、冒険心をくすぐられるアイコンですよね。
バンコクから中途半端に遠いのでアクセスこそ少々不便ですが、幸いにもタクシーは通っているし、普通の観光に飽きた人は行く価値ありです。
巨大なドラゴンタワーに圧倒されましょう。
その他、ガイドブックや公式観光情報では取り上げられない珍スポットに興味がある方は、以下の記事も参考にどうぞ。
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2023年6月21日に向かいましたが、84番ACのバスはワットサムプラン近くのバス停まで向かっていないようです。車掌さんが途中でソンテウに乗り換えさせてくれて、そちらで行くことが出来ました。
Bangkok bus routeで84ACの走行ルートを調べても、手前が終点になっているっぽいです。
あとこのバス、オレンジの古いエアコンバスでした。
さらに言うなら、今回『黄色のエアコンバス』というのをバンコクで1度も見ませんでした…。
バンコクのバスは近頃、最新鋭の青いEVバスに急速に置き換えられているようなので、一足先に姿を消してしまったのかもしれないですね。
>>>ヨミさん
情報ありがとうございます!この1〜2年くらいで廃止になってしまったのでしょうかね…。近々バンセンに行く予定もあるので、ワットセーンスックも合わせて改めて確認してみたいと思います。