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(ワットプートウドム境内の地獄エリアにある奇妙な骸骨オブジェ)
ワットプートウドム(英:Wat Phut Udom / タイ語:วัดพืชอุดม)は、バンコクの北に接するパトゥムターニー県に位置する寺院です。
所謂、地獄寺として一部の珍スポット・寺マニアからの人気を博しています。
境内には稚拙だが何か心に訴えかけてくるような、言語を絶する地獄を表現した数々のオブジェが並んでいます。
筆者は、これまでにタイ国内にて五軒の地獄寺を参拝してきました。
こうした立体像で地獄を表現している地獄寺はタイ全土に60ヶ所以上存在すると言われているわけですが、筆者はたかだか5ヶ所の訪問で地獄寺の全てを知った気になっていました。
「なるほどね〜、地獄寺って大体こういうもんなのね」、と。
しかし今回、ワットプートウドムを訪問してみて、上記のような得意然な考えは吹き飛びました。この寺院、これまで訪問した地獄寺とは明らかに表現方法が異なるのです。
(地獄エリアの入り口)
「まるで寂れたテーマパーク…?」筆者が最初に抱いた感想です。
地獄エリアへは巨大な口(上写真)を通って進入します。
中に入ると、まるで廃墟のような「どこか甘ったるくて、きつい土臭」が漂い、数々の地獄を表現したオブジェが展示されています。
(地獄エリアに展示されている無頭人)
そして所々が赤色や緑色の派手なライトアップが施されている様に、いかんともしがたい不気味さに襲われます。
お化け屋敷に近いと言えばいいのでしょうか。施設全体の構成・演出に明らかな統一性が感じられます。
恥ずかしながら、少々ビビりながら地獄内を回りました。
ワットプートウドムは、珍スポット・地獄寺が好きな人であれば、時間をかけて行ってみても損はしません。
バンコクからBTSと路線バスを乗り継いでアクセスできます(結構大変だが。行き方の詳細は後述)。
日本人が近寄らない珍スポットにこそ魅力を感じる人は、是非行ってみましょう。
ワットプートウドム
(ワットプートウドムの境内)
ワットプートウドムは、1917年に建てられた古い寺院です。
タイのサイトを複数見てみたところ、パトゥムターニー県においては非常に有名かつ人気の観光地であり、仏教行事が行われる日はツアーバスで乗り付け多くの人が参拝に訪れるとのこと。
「ほうほう、であればさぞかし豪華な寺院に違いない」と、期待に胸を膨らませて向かったわけですが。
筆者が訪れたのは日曜日でしたが、非常に閑散としていました。
境内には複数の寂れた売店があり、売店のおばちゃん数人と、2〜3人の参拝客のみ…
(境内にて川に生息するナマズの餌を売っていたおばちゃん。餌は20バーツ)
(ナマズに餌をあげていたおじさん)
そして、境内には多くの野良犬。
なんでしょう、久々に「あ〜!凄いローカルな所に来てしまった」という、不安と高揚感が入り混じった変な気持ちになりました。
ワットプートウドム周辺の道路。
人っ子一人歩いていない田舎道です。聞こえてくるのは野良犬の鳴き声のみ…周りは田んぼだらけ。ど田舎にポツンと寺院があります。
うーむ、イメージとは全く異なるが、この寂れた感じが良いのかな。地獄のリアリティを増してくれるのかな。そうポジティブに考えます。
地獄に進入。お化け屋敷のような場所だった
地獄エリアの入り口。上写真の口から地獄に進入します。
中に入ると、一本道の通路があり、上左右に数々の立体像地獄、地獄の壁画が展示されています。
古い寺院だけにあまり手入れはされていないのでしょう。所々、像の一部が崩壊していたり、蜘蛛の巣が張っている場所もありました。
地獄の定番。鉄釜地獄。動物や僧侶などを叩く罪を犯した者は、熱された釜に入れられます。
浮気や邪婬を働いた者が落ちる棘の木地獄。こちらも定番の地獄。
熱された武器で痛めつけられる邪見地獄。像が崩壊して荒んでいるのが、何故だか恐ろしさを増します。
ヤック(夜叉)の巨大な口。
全体的にグロテクス度合いのレベルが高いです。
地獄エリアの雰囲気も相まって、相当に恐ろしさを感じる場所でした。
以前訪問して記事にしたワットムアンの地獄エリアと比べても一目瞭然。ワットプートウドムの方が、地獄のグロさと雰囲気に関しては明らかにレベルが高い。
参拝者が全くいない廃墟のような場所だったのも、雰囲気を増したのでしょう。
地獄エリアはそこまで広いわけではありませんが、恐る恐る進んで行ったこともあり、なんだかんだ40分くらいはじっくりと見ていました。
地獄エリアから地上に出ても、また地獄…
今度は巨大な犬やハゲワシに噛みちぎられる犬地獄。
いや、もう本当に「お腹一杯!」と思えるほど地獄を堪能できます。
各々の像は古くて一部が崩壊はしているものの、完成度は高くて表情も豊か。
地獄寺好きなら間違いなく楽しめる寺院と言えるでしょう。
筆者は取り分けて地獄寺が好きというわけではありません。しかし、そんな筆者でも関心するほど良く出来た地獄寺でした。
ワットプートウドムへの行き方
以下は、ワットプートウドムの場所を記したGoogleMap
ワットプートウドムは、BTSと路線バスを乗り継いで自力でのアクセスが可能です。
タクシーでもアクセス可能。どこから乗るかにもよるが、バンコク市街からであれば片道500バーツ〜700バーツ程度。
運賃は恐らく交渉になります。
しかし、ワットプートウドム周辺は流しのタクシーが走っていません。
そのため、タクシーを利用するなら往復チャーターがベター。
往復で1,000バーツ〜1,400バーツ程度と考えておきましょう。
タクシー運転手に行き先を告げる際、「ワットプートウドム」と言っても発音の違いや知名度の低さから通じないことも多いので、まずはワットプートウドムのタイ語表記「วัดพืชอุดม」を見せてみましょう。
ワットプートウドムの住所のタイ語表記も記載しておきます。
住所⇒【25 หมู่ที่ 9 ตำบลพืชอุดม อำเภอลำลูกกา จังหวัดปทุมธานี】
もしくは手っ取り早くグラブタクシーを手配するのもおすすめ。
BTSと路線バスを乗り継いで自力で行く方法は以下の通り。
- BTS カセサート大学(Kasetsart University)の3番出口を降りる
- 3番出口を降りた先にあるバス停から34番の路線バスに乗る
- 34番の路線バスでLam Luk Ka Junction Market近くで下車
- Dhupatemee Stadium前のバス停からlamlukka klong 16(ลำลูกกาคลอง 16)行きの374番バスに乗る
タイに慣れていない人には少々ハードルが高いですが、旅慣れている人であれば大丈夫です。
以下で詳しく解説します。
BTSカセサート大学(Kasetsart University)の3番出口を降りる
まずは、BTS カセサート大学へ行きます。
(BTSカセサート大学はBTSモーチットから5駅)
バンコクの路線図を把握できていない人は、以下の路線図アプリをダウンロードしておくと便利。
バンコックメトロ
Federico Zanetello無料posted withアプリーチ
上記アプリをダウンロードしておけば、BTSとMRT全ての路線図を把握できます。
オフラインでも使える優れものです。
また、日本語で乗り換え案内や運賃を案内してくれます。バンコク旅行で非常に役立つアプリです。
BTSカセサート大学に到着したら、3番出口を降ります。
3番出口の階段を降りたら、即Uターンします。
Uターン後、20〜30m程直進すると、バス停が見えます。
このバス停で、34番の路線バスを待ちましょう。
(34番の路線バス。方向幕に「34」との記載あり)
バスに乗ったら、Lam Luk Ka Junction Market(タイ語:ตลาดปากทางแยกลําลูกกา)へ行きたい旨を伝えましょう。
運賃は10バーツです。
降り場所は以下の地図に記しているバス停です。
所要時間は約35分です。
Dhupatemee Stadium前のバス停からlamlukka klong 16(ลำลูกกาคลอง 16)行きの374番バスに乗る
上述したバス停に到着したら、今度はDhupatemee Stadium前のバス停まで歩いて移動します(徒歩約7分)。
34番のバス降車場所から徒歩約7分です。
(ワットプートウドムへ行く374番の路線バスが来るバス停)
374番のバスに乗る
気をつけておきたいのが、374番のバスは複数存在するという点。
ワットプートウドムへ行く374番バスは「lamlukka klong 16(タイ語:ลำลูกกาคลอง 16)」のみです。
他の374番バスはワットプートウドムへは行きません。
しかし、やっかいなことに、374番バスの行き先表示はタイ語のみ…
タイ語が読めない場合は、とりあえず374番が来たら乗ってしまいましょう。
まず乗ってから、車掌にワットプートウドム(วัดพืชอุดม)へ行くかを聞けば良いです。
行かないのなら、料金を払わずにその場で降りられます。行くのであれば「OK」と言われ、運賃を支払うだけです。
運賃は18バーツです。
ワットプートウドムまでの所要時間は約50分です。
ワットプートウドム前のバス停に停車する全てのバス系統番号や、34番バス・374番バスの現在地(GPSで確認できる)については
以下のViaBusというバンコク路線バスMAPアプリを活用すると簡単に把握できます。
ViaBus
Intouch Marsvongpragorn無料posted withアプリーチ
アプリの詳しい使い方については、以下の記事を参考にどうぞ。
⇒バンコクの路線バスを乗りこなせる便利な路線図ルートアプリ『Via Bus』
ワットプートウドム最寄りのバス停に到着
最寄りのバス停で下車したら、ワットプートウドムまで歩いてアクセスします(徒歩約8分)。
道中は人通りが全くない田舎道な上に野良犬が多いので要注意。
また、田舎の風景なので、どこでバスを下車すれば良いのか分かり辛いです。
GoogleMapのGPSを使いながら、現在地とワットプートウドムの場所を確認して降車しましょう。
タイでスマートフォンを使う方法については、以下の記事を参考にどうぞ。
ワットプートウドムからバンコクへ帰る
帰りのバスは行きのバス降車場所の反対車線にて、同じく374番バスを待つだけです。
ワットプートウドム周辺はタクシーが走っていないため、バスで来た人はバスで帰るしかありません。
しかし、Dhupatemee Stadiumあたりまで来たら、流しのタクシーが走っています。
その後34番バスに再び乗るのが面倒な人は、流しのタクシーを捕まえてBTSカセサート大学まで帰るのもあり。
筆者は34番路線バスに乗るのが面倒に感じたのでタクシーを捕まえました。
初心者にはおすすめできないがマニアは行く価値あり
とにもかくにも面白い地獄寺でした。
ただ、アクセスが少々面倒なので、バイクや車などの交通手段を持っていない人で、且つタイに慣れていない人にはあまりおすすめできません。
珍スポット・B級スポット好きのマニアであれば、苦労してでも行く価値はあります。
タイに慣れていない人であれば、バンコクから比較的アクセスが容易なワットパイロンウアの方がおすすめです。
ワットパイロンウアはツアーも開催されている(上リンク記事内にて詳細を記載)ので、タイに慣れていない人でも行きやすいです。
その他、バンコク市内・郊外にある全てのおすすめ観光地については、以下の記事を参考にどうぞ。バンコク旅行者必見の観光地をまとめています。
地獄寺をもっと理解したい人へおすすめする良書。地獄寺の存在意義からタイの仏教思想までを地の底よりも深く考察した唯一の本。
単なるB級スポットとしての地獄寺への見方が変わること間違いなし。地獄寺に興味がある人は、是非一読してみることをおすすめします。
タイの地獄寺の本、中々面白いです
仏教思想に関する歴史など、人によってはあまり興味なさそうな部分もありますが、地獄寺に行ったことある人なら必ず思う、「この像は何を意味しているのか」という疑問について詳しく解説できます
これを読めば、視覚以外でも地獄寺について楽しめるかなと思う pic.twitter.com/ge3hRH1sH2
? ri-(リー)@タイ一択 (@AsiaThailand208) January 27, 2020
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