(カオソーイ)
日本の各地方にご当地料理があるように、タイにもご当地タイ料理が存在します。
カオソーイは主にタイ北部のご当地料理として有名で、とりわけチェンマイでは、日本で言うラーメン・うどんのように日常的に食されています。
チェンマイにはカオソーイの店が多く、探さずとも簡単に見つけることができるのです。
しかし、日本のラーメンが店によって味が全然違うように、チェンマイのカオソーイも美味しさは店によってピンキリです。
せっかくチェンマイに行くのなら、誰もが認める名店で、本当に美味しいカオソーイを是非食べてみて欲しいと思います。
そこで、今回の記事ではチェンマイ市街にある美味しいカオソーイの店として、名店中の名店と言われる中有名店7軒を紹介します。
チェンマイ全土を見渡せば、カオソーイが美味しい店はもっとたくさんありますが、旅行者が比較的アクセスしやすい立地を考慮して、今回は7店舗に限定しました。
紹介する店は、いずれもナイトバザールや旧市街、ニマンヘミン通りといった観光名所付近に位置しています。
街歩きの際にでも寄ってみてはいかがでしょうか。
もくじ
カオソーイとは
カオソーイは、カレースープに卵麺を入れ、上にカリカリとした揚げ麺を乗せている変わった麺料理です。
揚げ麺のサクサクとした食感と、卵麺のツルツルした食感を同時に楽しめます。
カレースープには甘味としてココナッツミルクが加えられており、タイ料理らしく「辛味・甘味・酸味」の調和を同時に堪能できます。
また、日本のラーメンと同じく、店によってスープの見た目や味に違いがあります。
例えば、真っ赤なスープで激辛のカオソーイもあれば、いかにもカレーらしい黄土色のスープ、甘味が強いカオソーイや、日本人の口に合わないけどタイ人には人気なカオソーイなど多種多様です。
ちなみに、チェンマイほどではありませんが、バンコクにも名店と呼ばれるカオソーイレストランがいくつかあります。

バンコク滞在時には、こちらも是非。
チェンマイのおすすめカオソーイ食堂
紹介するカオソーイレストランは、以下MAPに記載してある番号1〜7の場所に位置しています。
番号 | 店舗名&営業時間 |
1 | カオソーイ・イスラム (Khao Soi Islam) |
8:00〜17:00 /不定休 | |
2 | アルーン・ライ (Aroon Rai) |
12:00〜21:00 /不定休 | |
3 | フアン・ペン (Huan Phen) |
/不定休 | |
4 | カオソーイ・クンヤーイ (Khao Soi Khun Yai) |
10:00〜14:00 /日曜は休み | |
5 | カオソーイ・ニマン (Khao Soi Nimman) |
毎日11:00〜22:00 | |
6 | カオソーイ・メーサイ (Khaosoy Maesai) |
毎日8:00〜16:00 | |
7 | カオソーイ・サムージャイ (Khao Soi Samoe Jai) |
毎日8:30〜17:00 |
の計7店舗。いずれも日本人のみならず海外のガイドブック等でも必ず紹介されている名店中の名店です。
以下で各々の特徴を記載していきます。
❶ カオソーイ・イスラム(Khao Soi Islam)
カオソーイの本場チェンマイで、40年以上にも渡って営業を続ける老舗の食堂。
ガイドブック等、あらゆる媒体で「チェンマイでおすすめのカオソーイは?」という問いに対して、必ずと言っていいほど、このカオソーイ・イスラムの名が挙がっています。
それだけに期待が大きく、ワクワクしながら行ってきました。
(カオソーイ・イスラムのカオソーイ。値段は50バーツ)
いかにもタイ料理!という風味ではなく、辛さも甘さも控えめで、コクのあるスープとあっさりとした後味が特徴的。
見た目は辛そうですが、水が無くても余裕で食べられます。ちなみに、スープに浮いている白い物はココナッツミルクです。
欲を言えばもう少し甘さが欲しかったですが、このあっさりとして全体的に控えめな味がセールスポイントなのでしょう。
こってり派の自分には物足りない感じもしましたが、あっさり派の方は気に入ると思います。
(カオソーイ・イスラムの店内)
店内にはエアコンはありませんが、どの席についても扇風機の風があたるので、そこまで暑くはないです。
チェンマイの適当なレストランで食べたカオソーイも、たまたまか殆どがあっさり味でしたが、どれも日本にあるタイ料理風カップラーメンのような味で美味しくありませんでした。
そんな中、カオソーイ・イスラムのカオソーイは、こってり派の自分でも納得できるコクの効き具合で箸がどんどん進みました。
チェンマイナイトバザールの近くという立地もGOOD。
営業時間
8:00〜17:00。不定休 メニューに英語表記あり
❷ アルーン ライ(Aroon Rai)
ターペー門から距離約140m、南へ徒歩約2分の場所にある有名な老舗食堂。1957年より営業しています。
カオソーイはじめゲーンハンレーなどカレー料理に定評があり、自他共に認める「チェンマイでナンバーワンのカレー料理店」です。
入り口の看板には”The Best Curry in Town“と書かれています。
さてさて、どんな味なのか気になります。
(アルーンライのカオソーイ。1杯50バーツ)
食堂の雰囲気と同様に、庶民的な見た目が特徴のアルーンライのカオソーイ。
ここのカオソーイは少々変わっていて、ココナッツの味もカレーの味も全面に出ていません。中辛で控えめな甘みですが、口の中にグッと味が広がります。
一口目はシンプルに感じるけど、二口、三口と食べていくごとに味わいが複雑で厚みがあることに気づく。控えめだったはずの辛さと甘みがいつのまにかクセになる。
うーん、表現しがたい味。この他の店にはない独創的な味は「ナンバーワン」と言うより「オンリーワン」。
庶民的だけど高級感のある香りと味。全てが表裏一体。カオソーイ初心者よりも、ある程度カオソーイを食して来た”好き者”が唸る味なのではないでしょうか。
とにもかくにも面白いので一度食べてみることをおすすめします。
ちなみに、アルーンライはカオソーイだけでなくサイウアやゲーンハンレーなどのタイ北部料理の評価も高いです。
カオソーイと一緒に食べてみましょう。
ターペー門近くなのでアクセス利便性も良し。
アルーンライの営業時間
毎日12:00〜21:00/不定休
❸ フアン・ペン(Huan Phen)
旧市街の中にあるタイ北部郷土料理の店フアン・ペン。旧市街散策中の昼食に持ってこいのレストランです。
店内にはエアコンルームもあるので、食後にタイティーでも飲みながら休憩するのもおすすめです。
(フアン・ペンのカオソーイ。値段は50バーツ)
肝心のカオソーイは、とんこつスープのようなザラザラした舌触りと、トロみとコクのあるスープが特徴です。
とんこつ派が「これだよ、これ」と思わず口に出す濃厚な味わい。辛味がやや前に出ていて甘さは控えめです。そのため水は必須ですが、辛いけど箸が止まらない一品でした。
美味しすぎて5分も経たずに完食。
辛さを活かすために、あえて甘味を控えめにしているのでしょうか。とにかくバランスの取れた味でした。
また、安っぽさがなく、バンコクの高級レストランで「一流の料理人が作りました」と言われても納得出来る安心感と高級さがある、そんなカオソーイでした。
とんこつ派は是非とも一度食べてみて欲しいです。
営業時間
08:30〜16:00、17:00〜22:00。不定休 メニューに英語表記あり
❹ カオソーイ・クンヤーイ(Khao Soi Khun Yai)
旧市街の北側、チャンプアック門近くにある白人旅行者に人気のカオソーイ店。
英語のガイドブックで紹介されているからでしょうか、店内にはタイ人も多かったですが白人観光客が特に目立ちました。
チャンクアップ門の近くには、ドイステープ行きのソンテウ乗り場があるのでドイステープ観光前にカオソーイクンヤーイで腹ごしらえしておくのもあり。
ただし、カオソーイクンヤーイの営業時間は10:00〜14:00まで(日曜日は定休日)と非常に短いので要注意。
(カオソーイクンヤーイのカオソーイ。50バーツ)
一口食べてみて、驚きました。味が他店カオソーイと良い意味で全く違います。
カオソーイはカオソーイなのですが、まるでビーフシチューのように肉の旨味が染み渡り、風味が爽やか。不思議な味でした。
肉は細切れになっていて食べやすいです。また、注文してからテーブルにカオソーイが乗るまでの時間が早い。注文して3分後にはカオソーイにありつけました。
カオソーイのスープの色は食欲をそそるオレンジ色。好みが合えば2杯はいけるでしょう。
ビーフシチュー風味なので外国人が食べやすいという印象。カオソーイ好きは足を運んでみる価値ありです。
カオソーイクンヤーイの入り口。入り口には看板が立っているので分かりやすいです。
営業時間
10:00〜14:00。日曜は定休日。
❺ カオソーイ・ニマン(Khao Soi Nimman)
チェンマイの原宿とも呼ばれるお洒落ストリート「ニマンヘミン通り」にあるレストラン。
ニマンヘミン通りらしく店内の雰囲気が明るく、また店員も爽やかな人が多くて気持ちの良いレストランでした。
客層はカップルが多く、それもまた爽やかな空気を作り上げていました。
(カオソーイ・ニマンのカオソーイ。値段は75バーツ)
カオソーイ・ニマンのカオソーイは、麺の上に厚揚げが乗っているのが特徴です。
この厚揚げが、カオソーイ独特のツルツル・サクサクした食感に、プラスのアクセントとして働いています。
カオソーイ自体の味は、辛味も甘味も前面に出た、王道のタイ料理と言ったテイストでした。こってりとあっさりの中間といった感じです。
今回紹介した7店の中では一番スタンダートで、日本人が一番食べ易い味なのかなと思います。
(カオソーイ・ニマンの店内)
店内はカップルの外国人客が多く、雰囲気が良かったです。
お洒落ストリートのニマンヘミンらしい客層ですね。この記事で紹介したザ・リバー・マーケット・レストランを除くカオソーイ店より25バーツ高いですが、雰囲気代と思えば良し。
カオソーイ・ニマンの近くには、似た名前のカオソーイレストランが数軒あるのですが、カオソーイ・ニマンが一番美味しかったです。
ニマンヘミン通りに来た際は是非。
また、ニマンヘミン通りにはお洒落なカフェや雑貨屋も点在しているので、カオソーイと合わせて街歩きを楽しめます。

営業時間
11:00〜22:00 メニューに英語表記あり
❻ カオソーイ・メーサイ(Khaosoy Maesai)
「カオソーイメーサイを食べずして、カオソーイを語るべからず」と言われるほどの”超”がつく有名店。
中心街から徒歩でのアクセスは少々大変(ターペー門から約3km)なので、赤ソンテウでアクセスするのがベター(ソンテウ運賃は片道40バーツ)。
上述した5店舗よりかは決して立地が良いとは言えないものの、それでも連日「ソンテウに乗ってまで」食べにくる旅行者で溢れています。
カオソーイメーサイのメニューは、カオソーイを含め麺料理5種類のみ。
(カオソーイ・カノムチン・クイッティアオ3種類)
麺料理のみで勝負して、世界から訪れる多くのチェンマイ旅行者達を唸らせている食堂です。
(カオソーイメーサイのカオソーイ。35バーツ)
一口食べて納得。これは「万人受けする味」です。
味はやや辛口ですが、ピリ辛程度。カオソーイの持ち味であるココナッツの甘みが辛味とのハーモニーを奏でていてると言って良いでしょう。
万人受けする味と言えど、決して「当たり障りのない、毒にも薬にもならない」ような味ではありません。
良い意味で心に引っかかる突出した部分があります。
それが、この真黄色の麺。
ツルツルとしてコシがある一方、絶妙なシャキシャキ感も潜んでいる独特の歯触り。クセになります。
この麺とスープの絡みが絶妙でした。
やはり名店。中毒にさせてくれる”術”が潜んでいました。
店内は地元タイ人はもちろん、外国人旅行者も多くいて大盛況。ロングステイヤーと思われる高齢日本人の団体客も見受けられました。
カオソーイが好きな人であれば、必ず足を運ぶべきと言える名店です。
営業時間
毎日8:00〜16:00
❼ カオソーイ・サムー・ジャイ(Khao Soi Samoe Jai)
ターペー門から距離約2.5km、チェンマイ旧市街の北東にひっそりと構える食堂。
中心技からの徒歩でのアクセスは難しいので、ソンテウ利用必須ですが、こちらもソンテウを使ってでも行く価値のある店です。
なんとあのタクシン前首相も、何度か足を運んで食べに来ていたとのこと。ワクワクする店です。
(カオソーイ サムージャイのカオソーイ。40バーツ)
かなりパンチの効いたカオソーイです。味は辛めで全体的にやや油っぽいです。男性が好みな味。
そして、口当たりが上記で紹介した6店舗とは明らかに異なります。
例えると、上記6店舗が関東風。サムージャイのカオソーイは讃岐風と言ったところ。
とにかく辛味が全面に出ていて「確かにこれはタイ人が好きそうな味」だと納得できます。
(とは言え、食べられないような辛さではない)
さらに特徴的だったのが揚げ麺。
病み付きになるほどサクサクとした食感。揚げ麺だけで酒のつまみになりそうなくらい口当たりが良いです。
このパンチの効いた辛さとサクサク揚げ麺が絶妙な化学反応を起こしています。
「不思議な味だな〜」と思いながらも、気がついたら完食していました。
従来のカオソーイはほぼ食べたチェンマイカオソーイ好きにおすすめの店です。
営業時間
毎日8:30〜17:00
チェンマイではグルメも楽しもう
チェンマイはバンコクに比べると規模がコンパクトなので、短い期間でもおすすめとされる観光地やレストランをたくさん周れます。
バンコクに比べると、日本からの旅行者は中々行く機会のない場所でもあるかと思うので、滞在時には是非とも出来るだけたくさんの場所を無理せず周りたいですね。
今回紹介したカオソーイの店は、足がない旅行者でも比較的アクセスしやすい立地に限定しました。
しかし、カオソーイの本場チェンマイには、まだまだ彗星の如く多くのカオソーイ食堂が存在します。
マニアックな店も含めてカオソーイをコンプリートしたい人は、以下の記事も参考にどうぞ。
奥深くカオソーイの店を紹介しています。
参考 チェンマイカオソーイ完全ガイド 老舗から名店まで20選CHIANGMAI43
チェンマイにある全ての観光地や市内での移動方法をまとめた観光ガイドについては、以下の記事を参考にどうぞ。
チェンマイ旅行者は必見。
