シェムリアップのトンレサップ湖クルーズ。ボートツアーで水上村の生活を覗いてみよう。

トンレサップ湖に浮かぶ集落

カンボジアのシェムリアップ観光と言えば、アンコールワットをはじめとした壮大な遺跡群が見所のメインです。

しかし、郊外にあるトンレサップ湖も日本では決して見ることのできない感慨深い光景を目の当たりにできるため、シェムリアップ旅行の際は合わせて足を運んでみるべきかと思います。

 

トンレサップ湖とは、「湖」という字がつくようにカンボジア国内の陸地一部を広く覆うように広がっている湖です。

トンレサップ湖の地図

(トンレサップ湖は、カンボジアのほぼ中央部分に位置している。湖全体はひょうたんのような形をしている)

地図から分かるように、トンレサップ湖の面積は、シェムリアップ市街や左隣に位置するタイの首都・バンコクをも凌ぐ大きさです。

トンレサップ湖の面積は2,500〜3,000平方キロメートル。タイの首都・バンコクの面積が約1,500平方キロメートルなので、数字だけを見てもいかにトンレサップ湖が巨大なのかが想像できます。

しかも、この2,500平方キロメートルという数字は、あくまでカンボジア乾季(11月〜4月)における面積。

カンボジアの雨季である5月〜10月にかけては、およそ7倍の20,000平方キロメートルまで面積が拡大します。

この規模は東南アジア最大であり、カンボジアにはトンレサップ湖がもたらす豊かな生態系に依存して生活を営む漁業従事者も多いです。

コンポンプルックの子供達

(トンレサップ湖で水の供給が良い沿岸部では、いくつかの漁村が形成されている。上写真は漁村民達の子供)

 

トンレサップ湖の観光では、ボートに乗って沿岸部の漁村をクルーズします。

クルーズでは、湖の浮かぶ水上家屋や高床式の家屋、そして水上の小学校など、文字通り水上生活を目の当たりにできます。

水上の家屋と言えば、バンコクにも水上マーケットなる観光地が存在しますが、カンボジアのそれは水上マーケットとは異なる点だらけ。

水上マーケット同様にある程度観光地化されているとはいえ、より地元民の生活ぶりに密着した様子を伺える衝撃的なエリアです。

今回の記事では、トンレサップ湖観光(ボートクルーズ)の魅力、シェムリアップからのアクセス方法を詳しく記載しています。

是非、シェムリアップ旅行の際は足を運んでみてはいかがでしょうか。

トンレサップ湖でのボートクルーズ

チョンクニアとコンポン・プルック

(上写真:チョンクニア。下写真:コンポン・プルック

トンレサップ湖は、シェムリアップよりも大きい面積を持っていますが、観光客がボートクルーズを楽しめるエリアは限られています。

トンレサップ湖内で、観光客がボートクルーズを楽しめるエリアとして整備されているのは、チョンクニア(Chong Khneas)コンポン・プルック(Kompong Phluk)の2ヶ所です。

両エリアとシェムリアップ市街の位置関係

シェムリアップからトンレサップへの地図

チョンクニアもコンポン・プルックも、トンレサップ湖沿岸部に広がる水上村であり、シェムリアップ市街からトゥクトゥクやツアーを利用してアクセスできるという点は共通しています。

また、どちらも主な観光方法は、ボートをチャーターしてのクルーズです(どちらも料金は一人30USドル)。

しかし、雰囲気や住民の属性には違いがあります

チョンクニアの見所は水上にある小学校と、そこでの子供達との触れ合い。

コンポン・プルックの見所は日本ではありえない驚くほど高い“超高床式”の家屋群です。

どちらにも違った面白さがありますが、チョンクニア(Chong Khneas)へ行くのならツアーを利用すべきでしょう。

チョンクニアの船員はチップ要求が激しいので、信頼できるガイドがいないと不快感を得ることがあるからです。

以下でチョンクニアとコンポン・プルック、それぞれの特徴を解説していきます。

チョンクニア(Chong Khneas)。水上にある小学校が見所のボートクルーズ

チョンクニアの水上小学校

(チョンクニアの水上にある小学校)

チョンクニア住民の多くを占めるのは、カンボジアではなくベトナム人です。

彼らベトナム人はカンボジア内戦中に流入してきた難民であり、チョンクニアでは水上に住むベトナム人の家屋や小学校を見学することができます。

チョンクニアの学校1

(水上の小学校の生徒。子供の中には両親がいない子もいる)

チョンクニアの小学校2

(小学校に置いてあるベトナム語の漫画)

チョンクニア 水上小学校の外観

(水上小学校の外観。文字通り、水上に浮かんでいる)

 

ボートツアーの所要時間は1時間程度

料金は一人30ドル程度です。自力で行った場合、ボートには運転手1名とガイド(英語)1名も乗り込み、トンレサップ湖の広大な水平線を眺めながらボートは進んでいきます。

チョンクニアのクルーズで乗るボート

クルーズで乗るボート

 

チョンクニアの水上に並ぶ家屋

ボートが出発すると徐々に水上に並ぶ家屋が見えてきます。

 

チョンクニアの教会

教会やスーパーといった生活に必要な施設も並んでいて、この村が水上という特殊な環境にありながらもきちんと村として機能しているのが分かります。

日本では考えられない不思議な光景。

見所1:水上にあるお土産屋

チョンクニアのお土産屋

チョンクニアのボートクルーズでは、最初にお土産屋兼レストランの大きな建物に寄ります。

お土産と言っても、売っている物はシェムリアップでも見かける物ばかりで、それでいて高額であるため、ここで買い物をする必要はないでしょう。

レストランで食事を楽しんだり、建物の二階に上がってトンレサップ湖を眺めて過ごすのがベター。

建物二階は見晴らしが良いです。

 

チョンクニアのお土産屋2

お土産屋。ワニ革を使った製品が多く、革ベルト1本30USドル〜40USドル程度で売られていました。

品質はそこまで良さそうではないため、ここでわざわざ買う必要はないかと思います。

チョンクニアのお土産屋3

シェムリアップ市街地のお土産でも見かける物が殆ど。

 

チョンクニア お土産屋の2階

チョンクニア お土産屋の2階2

お土産の二階からは清々しいチョンクニアの景色が見晴らせます。

見所2:水上の小学校で子供達の触れ合い

チョンクニア 水上小学校の授業風景

水上の小学校には観光客も上がることができて、授業の様子を見学することもできます。

小学校の子供達は観光客の姿に慣れているようで、こちらに大きな興味は示しません。それが逆に気楽で、自由に小学校内を散策可能です。

チョンクニア 水上小学校の子供達

どこの国でも小学生は自由きまま。無邪気な様子に元気を貰える。

チョンクニア 高学年クラスの授業風景

こちらは高学年クラスの授業風景。クラスによっては生徒は5人〜6人程度だったりもします。

チョンクニアは自力ではなくツアーで回るべき理由

チョンクニアは、後述するコンポン・プルックよりもシェムリアップ市街から近く、メジャーな観光地であるため、少々ビジネスライクな雰囲気を感じてしまいます。

例えば、ボートクルーズ中には大型の桶をボート代わりにして水上を行き来するベトナム人の姿が見受けられて非常に新鮮です。

しかし、彼らの口から出てくる言葉は「ワンダラー!ワンダラー!プリーズ」のみ。

チョンクニア ベトナム人家族

(ベトナム人家族。観光客を見かけるや、親が合図して子供達があからさまな泣き真似を始めた。しかも長くてしつこい)

今思い返せば、年中観光客がやって来るわけで、「1ドルくらい恵んでよ」という気持ちにもなるのは分かりますが、あまり「お金お金」言われると萎えるもの。

また、途中で寄る水上の小学校では、ガイドから「ここの小学校の子供達は、皆貧困なので隣のスーパーでお米を買ってあげて欲しい」と言われます。

自分はいくらか払って小学校の子供達にお米をプレゼントしました。

しかし、お米を買ってくれる観光客なんて年中いるので、大して珍しい出来事でもないのでしょう。誰一人からも「ありがとう」とは言ってもらえませんでした。

別に感謝されたくて買ったわけではありませんが、誰か一人くらい一言「ありがとう」を言って欲しかったです。

ガイドもかなり厄介で、ボートクルーズが始まって10分もすると「チップはいくら払える?」「20ドルでいいからチップを貰わないとボスに怒られる」など、終始チップの話ばかりで正直うんざりしました。

ガイドには3ドルしかあげなかったのですが、「たったの3ドル?」と言われ、その後は終わりまで不機嫌そうにしていた上、「もう帰っていいか?」とクルーズ半ばにも関わらず早く帰りたそうにされて腹が立ちました。

自分以外にも自力でチョンクニアへ行った人からは、同じような感想を多々聞きました。

チョンクニアは、こうしたビジネスライクな雰囲気がかなり漂っているので、観光するなら絶対にツアーを利用するのがおすすめです。

ツアーであれば信頼のおける日本語ガイドが付くので、煩わしいチップ要求がありません。

加えて、水上村の文化などを詳しく教えてもらえるので、充実した観光になります。また、ガイドは写真係にもなってくれます。

>>>トンレサップ観光ツアー【日本語ガイド + ホテル送迎付き】

コンポン・プルック(Kompong Phluk)。迫力ある高床式家屋群が見所のボートクルーズ

コンポン・プルックのボート

(クルーズで観光客が乗るボート)

コンポン・プルックでのボートツアー所要時間は1時間程度。

船員2名と乗客が上写真のボートに乗り込んでクルーズします。ボートクルーズの料金は1人30ドルです。

チョンクニアとは違い、「ダラーダラープリーズ」と言ってくるベトナム人はいませんし、コンポン・プルックでも途中で小学校に寄ります。

ちなみに、コンポン・プルックの住民はカンボジア人です。

コンポン・プルックの大きな見所は、以下の4ヶ所。

  1. 超高床式の家屋群
  2. 水上の小学校
  3. 水上のレストラン
  4. マングローブ林のクルーズ

視覚的なインパクトが強い見所が1回のクルーズに詰まっているので、あっという間に1時間のクルーズが終了します。

見所1:超高床式の家屋群

高床式家屋

コンポン・プルックのクルーズが始まると、最初に目に飛び込んでくるのが「超」高床式の家屋群。

これら家屋群は、水面が上昇する雨季に備えて予め高く作れたもの(写真は7月の水位)。

写真では建物の基礎部分が丸見えになっていますが、増水時のピークには基礎部分も全て水中に隠れるほど水位が高くなります。

雨季のピーク時

(水増しのピーク時。基礎部分は殆ど見えなくなる)

逆に乾季(11月〜4月)になると、場所によってはボートのスクリューが海底にぶつかるほど水面が低くなります。

そのため、乾季でも楽しめないことはないですが、コンポン・プルックへの観光は、ある程度水位の高さがある雨季(5月〜10月)の方が魅力を最大限に感じられるでしょう。

高床式の家屋と子供

(高床式の基礎部分高さは最大で8m。驚くほどの高さ)

高床式の基礎部分

(普段、基礎部分は物置として使われていたり、洗濯物が干されている)

地震が起きたら一発で崩れそうな気がして不安ですが、ここに住んでいる人達はこの環境が当たり前なのでしょう。

とてつもないカルチャーショックを受けました。

見所2:小学校

コンポン・プルックの小学校

クルーズ途中で陸地に上がり、小学校と周辺の集落を探索する時間があります。

ここではチョンクニアのように寄付のお願いなどはされません。学校で遊ぶカンボジア人の子供達の自然な様子を見られます。

帰宅中の子供

(帰宅途中の子供。カンボジアは子供が多いから癒される)

ただし、雨季は上写真のように地面の土がグチャグチャしているので、汚れても良い靴を履いて観光に行くのが良いです。

小学校周りにいる子供達は、外国人を見かけると一斉に寄ってきます。

おそらく観光客から教えてもらったであろう英語「What’s your name?」を、皆同様に何度も言ってくるのも可愛いです。

見所3:水上のレストラン

コンポン・プルックのレストラン1

小学校の次に立ち寄るのが、水上のレストラン。

最初に見た家屋と同じように、高さのある基礎部分で構築されていて、最上部にレストランが設けられています。

水上のレストラン2

水上レストラン3

(軽く5m以上はあると思われる高さ)

料理は4ドルのヌードルのみで味自体は大したことないのですが、雰囲気は中々良いので小腹を満たすつもりで寄ってみていいかもしれません。

見所4:マングローブ林のクルーズ

マングローブ林のクルーズ

最後にマングローブ林の中を抜けるクルーズを小型ボートに乗り換えて楽しめます(別途料金が必要。1人だと7ドル2人で乗れば10ドル)。マングローブ林のクルーズ所要時間は30分程度。

興味がなければ、小型ボートには乗らずクルーズに戻ることもできます。

一人でもたった7ドルなので、是非思い出に乗ってみることをおすすめします。

以上の4ヶ所を回ってボートクルーズは終了。船乗り場へ戻ります。

シェムリアップからトンレサップ湖への行き方

シェムリアップからトンレサップへの行き方には、主に以下3つの方法があります。

  • トゥクトゥクを往復でチャーターする
  • レンタルバイクで行く
  • ツアーを利用する

トゥクトゥクをチャーターする

トゥクトゥクで行く場合は、シェムリアップ市街にて客待ちしているトゥクトゥクドライバーに料金交渉をした上で乗せてもらいます。

カンボジアのトゥクトゥク

(シェムリアップ市街にて客待ちしているトゥクトゥク)

シェムリアップ市街であれば、トゥクトゥクは至る所で客待ちしているので探すのに全く苦労しません。

基本的に、宿泊ホテル入り口には必ず3台〜4台くらいのトゥクトゥクが待機しています。

シェムリアップからトンレサップ湖までの往復トゥクトゥク料金目安は以下の通りです。

  • チョンクニア = 10ドル〜15ドル(所要時間30分〜40分)
  • コンポン・プルック = 20ドル〜25ドル(所要時間およそ1時間)

※ただし、上述したようにチョンクニア観光は絶対にツアーを利用するのがおすすめ

交渉次第ではもっと安くなるかもしれませんが、自分が交渉した時は上記金額までしか落としてくれませんでした。

トンレサップ湖までの道中は舗装されていない道路も多く、雨季シーズンになると土がぬかるんでいるので、バイクよりトゥクトゥクの方がバランスが取れます。

そのため、雨季に行く場合はバイクをレンタルするよりトゥクトゥクをチャーターする方がおすすめです。

トンレサップ湖までの道中

(トンレサップ湖への道中は小さな村なども通る。道路が舗装されていなくて未開拓地感がありワクワクする)

バイクをレンタルする

シェムリアップのレンタルバイクショップ

(シェムリアップのレンタルバイク & 自転車ショップ)

シェムリアップのパブストリート付近には多くのレンタルバイク & 自転車ショップがあります。

ショップでバイクを借りる場合のレンタル料金は、店によって若干異なる場合もありますが、1日5ドル前後です。

バイクをレンタルする際はパスポート(コピー不可)を店に預ける必要があるので、心配ならトゥクトゥクをチャーターする方が無難です。

日本ガイド + ホテル送迎付きのツアーを利用する

トゥクトゥクと英語で交渉することに不安がある人や、海外旅行に慣れていない人は日本ガイド + 宿泊ホテルまでの送迎付きのツアーを利用するのもおすすめです。

また、繰り返しになりますがチョンクニア観光は絶対にツアーを利用する方が良いです。

>>>トンレサップ湖ツアー【日本語ガイド + ホテル送迎付き】

ツアーパッケージの中には、ベンメリアバンテアイ・スレイと言った郊外の遺跡も1日で一緒に回るプランもあります。

シェムリアップへの滞在時間が3泊や4泊など短い人は、こうしたツアーを利用した方が効率よく観光できるでしょう。

トンレサップ湖クルーズの営業時間とボート料金

営業時間

  • チョンクニア/7:00〜18:00
  • コンポン・プルック/5:00〜18:00

ボート料金

  • チョンクニア/1人30ドル
  • コンポン・プルック/1人30ドル

自力で行く場合、どちらも船乗り場付近にあるチケット売り場でチケットを買って入場します。

チョンクニアのチケット売り場

(チョンクニアのチケット売り場)

チケット売り場

(コンポン・プルックのチケット売り場)

アンコール遺跡だけじゃないシェムリアップ観光

水上村の子供達

シェムリアップの観光と言えば、もちろんメインはアンコールワットをはじめとしたアンコール遺跡群ですが、トンレサップ湖も一見の価値ありです。

旅行期間中は遺跡ばかりを見学していても、どうしても「また同じような遺跡だな…」と思ってしまいがちなもの。

そのため、トンレサップ湖の観光をプラスしておけば、シェムリアップ観光のアクセントになります。また、水上で生活する人々の暮らしぶりを見るのは新鮮です。

是非、シェムリアップ観光の際には、遺跡見学をしつつも旅程の中にトンレサップ湖の観光を組み込んでみてはいかがでしょうか。

水上生活の驚きの光景に胸を打たれるでしょう。

 

アンコール・ワットを初めて観光する人が押さえておくべき王道ルートの遺跡については、以下の記事を参考にどうぞ。

アンコールワットと朝日
アンコールワット遺跡の回り方。効率の良い王道ルート。

シェムリアップ市街や郊外にある全ての観光地情報については、以下の記事を参考にどうぞ。

パブストリート
シェムリアップ観光の完全ガイド。市内と郊外のおすすめ観光地を紹介していくよ。

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