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海外旅行時に一番を気を使う事と言えば、自分自身や持ち物を犯罪から守るための対策でしょう。
外務省の海外法人援護件数の統計によれば、2019年に海外で犯罪被害に遭った日本人の数は20,295人に上るとのことです。
同年の海外渡航者数全体の割合から見れば決して大きな数字とは言えませんが(わずか0.1%)、自分が100%被害者になる可能性はないとは言いきれない数字でもあります。
こうした被害の多くは「窃盗」「詐欺」「睡眠薬強盗」などによる、金品を狙った犯罪によるものです。
被害に遭った殆どの人の共通点として挙げられるのが、海外という地に浮かれ、「自分は大丈夫」「この人なら信用できる」などといった、判断力の低下や好奇心が被害に繋がってしまったことでしょう。
上記のような犯罪被害は、「日本人はチョロイ」と思っている外国人の犯罪を助長してしまう原因になるので、決して「可哀想」という気持ちだけではなく、反面教師にする必要があると思います。
では、自分自身が被害者にならない為には、具体的にどのような防犯対策をとるべきなのでしょう?
そこで今回は、海外旅行前に知っておくべき現金やカードの防犯方法を紹介します。
現金を分けて持つことによりリスクを分散させる
海外旅行中のお金の持ち方には、現金以外にカードで管理しておく手段があります。
使えるお金の所持場所を分散しておくことで、万が一紙幣と硬貨を盗難されても、クレジットカードでキャッシングを行えば、当面の問題は解決できるというリスクの分散になるのです。
ひと昔前までは、こうしたリスク分散方法にはトラベラーズチェックという旅行小切手が主流となっていましたが、現在では販売が中止になっており、使っている人は世界的に見てもごく少数です。
代わりに現在、リスク分散の為のお金の管理方法として主流となっているのは
- クレジットカード
- プリペイドカード
の二種類です。
これら二種類は財布の中一箇所に固めておくのではなく、セキュリティウエストポーチの中や鍵付きの旅行カバンの中など、所持場所そのものも分散させることによってリスク分散の効果を高めることができます。
ホテルのセーフティーボックスは要注意
海外の中級以上のホテルの室内には、セーフティーボックスという自分で決めた任意の暗証番号で開閉ができるボックスがあります。
(ホテル客室内にあるセーフティーボックス)
ただ、個人的にはセーフティーボックスの中に上記カード類や現金を保管しておくことはおすすめしません。
なぜなら、ホテル従業員がマスターキーを持っている可能性が高いからです。
外出中に部屋に忍び込まれ、セーフティーボックス内の高額紙幣等の盗難にあったという被害はとても多く、こうしたトラブルは保管しておいた金額や物の証明がしにくい為、泣き寝入りになるパターンがあとをたちません。
海外用プリペイドカードで現金を小分けに所持する
海外用プリペイドカードは、海外旅行中のお金の管理に最適のカードです。
海外用プリペイドカードは、クレジットカードの使いすぎに注意している人や発行審査に通らなかった人が、海外でもキャッシングや買い物をすることができます。
- 発行費・年会費が無料(カードの所持に費用が発生しない)
- 発行の際に審査がいらない(誰でも作ることができる)
- あらかじめチャージした金額しか利用できない
- 見た目がクレジットカードそのものである
こうした特徴を活かし、数枚の海外用プリペイドカードでお金を小分けにしてチャージしておけば、万が一スキミングや盗難に遭っても被害を最小限に抑えることができます。
カードは発行したからといって必ずしもお金をチャージする必要はありません。
その為、狙われやすいクレジットカード類のダミーとして携帯することも可能です。
一番使い勝手の良い現金分散アイテムです。
一枚のみの所持で十分という方は、ATM利用手数料が最も安いマネパカードを持つ方がおすすめです。
スキミング防止対策にICクレジットカードを利用する
ICクレジットカードは、スキミングによる被害を防止する為に、クレジットカードに従来の磁器ストライプではなくICチップを埋め込んだカードです。
ICカードとは、IC(Integrated Circuit=集積回路)チップを搭載したカードのことで、膨大な情報量の保存・処理が可能になります。複雑な暗号処理でより高度なセキュリティーを保ち、従来の磁気カードに比べて偽造が困難で、安全性が高いカードです。
引用元:エポスカード
ICクレジットカード利用の際は、従来の会計時に必要だったサインが不要です。
代わりにPINパッドにカードを挿入し、暗証番号を入力して本人確認と会計を同時に行います。
(PINパッド。ショッピングモールなどのレジで見かけたことのある人は多いと思います)
ICカードの利用は100%スキミングを防止できるというわけではありません。
あくまで、従来の磁器ストライプ型クレジットカードカードよりスキミング被害を防止しやすくなったということを忘れてはならないでしょう。
ただ、スキミング被害に遭う確率を限りなく0に近づけることができるので、海外にクレジットカードを持っていくのであれば、ICクレジットカードにしておいた方が良いです。
上記のICクレジットカードは、年会費・発行費が無料で、他社カードより補償金額の高い海外旅行保険が自動付帯されています。
海外旅行用に一枚持っておくと重宝します。
(上記ICクレジットカードの海外旅行保険の補償内容)
上記クレジットカードの海外旅行保険内容の詳細については、以下の記事を参考にどうぞ。
ターゲットにならないよう振る舞う
犯罪の被害者にならない為には、犯罪者からターゲットにされないように振る舞うことも重要です。
犯罪者は、目に入った外国人を片っ端からターゲットにしているわけではありません。
当然ながら騙せそう、大金を持ってそう、隙があると思った人に近づけば、効率よく金品を盗む(強奪)することが可能と考えています。
ターゲットにならない為には、日本でも普段から注意していることを心がけておけば良いだけですが、異国の雰囲気の中では気分が高揚してしまい、注意力が奪われやすいです。
しかし、被害に遭って後悔しない為には、最低限以下の点だけには注意をするべきでしょう。
人前では極力お金を出さない
海外旅行中の会計時は、現地通貨に見慣れていない為、どうしても一遍にたくさんの紙幣を出してお金を数えがちですが、できるだけ早く現地通貨の種類を把握し、会計相当の額だけを出すように心がけたいです。
現金を多く持っていることを知られれると、後をつけられ、ひと気のない場所で被害にあうという事がありえます。
また、物価の安い国に行くと、自分では少額と思っている金額でも、現地の人間からすれば給料◯日分の金額ということも珍しくなく、軽い気持ちでたくさんのお金を人前で出すと、ターゲットになる確率が高まってしまいます。
そのため、自分は会計時に財布の中身を覗かれる心配がない「かぶせ」が付いているアブラサスの旅行財布を利用しています。
各国の紙幣サイズに対応している上に、会計をモタモタしていても財布の中を覗かれないので、安心できる設計の財布です。
普段使いもできるので、一つ持っておけば旅行時でも普段の生活でも重宝するでしょう。
人混みではボディバッグを前掛けにしておく
観光や街歩き時に、携行品収納の為にボディバッグを利用している人は多いです。
人混みに巻き込まれやすい人気観光地やショッピングモール等の中では、スリ被害に遭わない為にボディバッグは前掛けにして使います。
人混みの中で体のどこかが周囲の人や物と接触していると、ポケットの中など、体に密着している部分から物を抜き取られても感覚的に気づかない場合があります。
これが、後ろ掛けボディバッグであれば、視覚的にもファスナーを開けられたことに気づきにくいのです。
多くの人が、ボディバッグにはガイドブックや観光地で貰ったMAPなどを入れていると思います。
こうしたガイドアイテムは、順番待ち中など、中々前に進めない人混みの中で取り出して読むことが多いかと思うので、海外旅行時には前掛けにした時でも物を取り出しやすいボディバッグを持っていくと便利です。
話しかけてくる人は信用しない
異国の地では、「フレンド!」と話しかけてくる怪しい人が本当にフレンドに見えてくるから不思議です。
ただ、確実に言えることは、向こうからやってくる人間は何かしらの魂胆があって、あなたに話かけているということです。
それが助けを求める内容であっても、良いお店を紹介するといった内容でも、100%何かしらのトラブルや不快感を得てしまうので絶対に信用してはいけません。
言葉巧みに距離を縮めて、何かしらの罠にはめようとするのは全世界の詐欺に共通する手段です。
被害に遭った人の中で、相手に「飲もうよ」と誘われて睡眠薬強盗をされた人は少なくないです。
万が一に備えて紛失防止タグを貴重品につけておくことも大事
紛失防止タグとは、タグを付けた貴重品が身から離れた際、貴重品が離れたことをスマートフォンにアラートでで知らせてくれる製品です。
タグを付けた貴重品の紛失場所をスマートフォンで確認することもできます。
(タグを付けた貴重品から離れると、スマホにアラート通知が届く)
(タグをつけた貴重品の紛失場所をスマートフォンで検知できる。実際の検知画面にモザイクは入っていません)
海外旅行中、どれだけ盗難防止を注意していても、不測の事態で貴重品を紛失してしまう可能性はあります。
万が一盗難に遭ったとしても、財布や鍵に紛失防止タグも付けておけば、現在地を確認して被害に遭った貴重品を取り戻すこともできるのです。
また、小さい子供がいる場合は、子供にタグを持たせておけば迷子も防止することができます。
旅行が終わった後の普段使いにも重宝するでしょう。例えば、出勤時に財布を忘れてマンションを出た際、アラートで知らせが来てすぐに家に取りに帰ることができます。
使える幅は広いので、貴重品紛失の”保険”として持っておくと良いでしょう。
紛失防止タグの使用方法・レビューについては、以下の記事も参考にどうぞ。
まとめ
今回は、海外旅行をする上で、何かしらの犯罪被害に遭遇しない為の方法や注意点をまとめてみました。
- お金はクレジットカードやプリペイドカードを使い、所持場所とリスクを分散する
- 犯罪被害に遭わない為にはターゲットにならないような振る舞いをする
- 万が一に備えて紛失防止タグを貴重品につけておくと尚よし
これらは、海外旅行が初めての人はもちろん、何度かの海外旅行を経験し海外の空気に慣れた人にも、復習の意味も含めて是非意識しておいてほしいです。
特にお気に入りの地にリピートで何度かの渡航経験がある人ほど、初めての渡航時に比べ、注意力が低下する傾向にあります。
交通事故にも言えますが、海外旅行も慣れてきた頃が一番怖いものです。
安心して楽しい旅行を満喫する為に、くれぐれも油断だけはしないようにできればと思います。
ネックピローやLCC持ち込み可能サイズのバッグをはじめとした、海外旅行時に持っておくと便利な旅行グッズについては、以下の記事を参考にどうぞ。
こんにちは。来たるタイ旅行に向けていつも勉強させてもらっています。
プーケット4泊バンコク3泊するのですが、セーフティボックスを完全信用するのは危険ですか?(^^; 離島ツアーに行ったりするので、パスポートや現金を持ち歩くのは怖くて。部屋内の絶対自分にしか分からない場所に隠すとかした方がいいんでしょうか?
あと、タイ航空で行くのですがキャリーケースに鍵はした方がいいですか?貴重品は入れないので、鍵を現地で無くしてしまった時のリスクなど考えると必要ないのかと思ったり。
質問ばかりですみません。
>>あやなさん
私の場合は五つ星などそれなりのホテルであればセーフティボックスを信用していますが、3つ星くらいの中級ホテルだと念のため貴重品は鍵付きスーツケースに入れておくことが多いです。キャリーケースに鍵は絶対した方がいいと思いますよ。万が一(ほぼありえない話ではありますが)スーツケースの中に知らないうちに危険物や薬物を入れられたなんてことがあった時に大変なことになるかもしれません。
実際、こちらのページの「ケースその3」のように、”空港で預けたスーツケースの中から本人が承知していない多量のマリファナ(大麻)が発見され、麻薬密輸容疑で現行犯逮捕された。”という事例はあるそうです。
返信ありがとうございます。
リンクまでありがとうございます。
海外だから何が起こるか分からないですよね…。
ホテルは四つ星以上で今の所検討していまが、もしもの為にリーさんのアドバイス通りキャリーケースに鍵をします!
リーさんの記事は沢山見ましたが、見やすく分かりやすいので本当に助かってます。これからもお世話になりますm(__)m