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(スコータイ歴史公園の入り口)
スコータイ歴史公園(スコータイ旧市街)
スコータイ歴史公園(旧市街とも呼ぶ / タイ語:อุทยานประวัติศาสตร์สุโขทัย)とは、タイ北部のスコータイ県にあるスコータイ王朝跡のことを指します。
「スコータイの歴史上の町と関連の歴史上の町」として、1991年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
スコータイ歴史公園は70キロ平方メートルという広大な面積があり、その中に193基もの遺跡が残っています。これら遺跡の多くは、1238年〜1378年の間、タイ族の歴史上初である統一国家「スコータイ王朝」によって建築されたものです。
スコータイ歴史公園の見所は、各所に点在するインパクトのある遺跡や仏像です。遺跡や仏像は、スコータイ様式(スコータイ仏)と呼ばれる、スコータイ王朝が確立した独特の建築様式に基づいて建てられています。
(スコータイ遺跡の一つであるワット・シーチュムに立つ巨大なアチャナ仏。丸みを帯びた女性的なラインと、慎ましい質素な色合いが特徴)
公園内は5つのエリアに分かれている
広大な面積を持つスコータイ歴史公園ですが、公園内は城壁に囲まれた中心部と、城壁外の東部、西部、南部、北部の合計5エリアに区分けされているため、観光ルートを作りやすいです。
1日あれば、見所となる遺跡は全て見て周れます。ただ、面積が広大であるため、徒歩で周るのは時間的にも体力的にも不可能でしょう。
そのため、公園入り口で借りられるレンタル自転車と遺跡周辺にて客待ちをしているトゥクトゥクを組み合わせて周るのがおすすめです。
以下より、スコータイ歴史公園の中で、観光客から人気の絶対に見るべき遺跡と、公園内の効率的な周り方を紹介していきます。
スコータイ歴史公園の周り方
以下は、スコータイ歴史公園の全体図です。数字で記しているのが、各エリアで見所となる遺跡です。
上のMAPから分かるように、歴史公園において見所となる遺跡の多くは、城壁内に点在しています。
北部、東部、南部、西部において見所となる遺跡は、1エリアにつき1基〜2基だけです。
城壁内には、売店やレンタル自転車、トイレやカフェなどの休憩所もあり、また人通りもそれなりに多いです。
そのため、城壁内は自転車で周って観光するのがおすすめです。道は綺麗に整備されているので、観光がてらサイクリングも楽しめます(トゥクトゥクもいるので、体力に自信のない人は利用するのもあり)。
城壁内の面積は、東西約1800m x 南北約1600m。そこまで広くないので、2時間〜2時間30分もあれば全ての遺跡を周れます。
それ以外のエリアは、トゥクトゥクを貸し切って北部→東部→南部→西部の順に周ると良いでしょう。
城壁外のエリアに行くと、極端に人通りが少なくなります。また、売店なども見かけないため、暑い中自転車を漕ぎ続けるのは相当に体力を消耗します。
(城壁外のエリア。人の通りも車の通りも全くない)
体力的な理由以外に、治安面の理由もあります。西部エリアにあるワット・サパーンヒンという遺跡にて、2007年11月に日本人女性旅行者が殺害される事件が起こりました。
実際に足を運んでみたところ、現在では警備員の待機所が遺跡の近くにあるため、それほど不安を感じることはありませんでした。
しかし、こうした事件が過去に起こっている以上、少なくとも一人旅行者はトゥクトゥクを使って周るのを強くおすすめします。
(ワット・サパーンヒン前。自分が行った時は、2人の警備員?のような人が常駐していたため、危険性は感じられなかった)
レンタルサイクル・トゥクトゥク・歴史公園の入場料金
レンタルサイクルショップの店とトゥクトゥクの待機所は、城壁内に数多く存在しています。城壁内をレンタルサイクルで周り、それ以外のエリアをトゥクトゥクで周る場合の料金は以下の通りです。
料金 | |
レンタルサイクル | 30バーツ |
トゥクトゥク | 300バーツ(貸切) |
城壁内 |
|
北部 |
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西部 |
|
合計 740バーツ |
ちなみにレンタルバイクもあります。(200バーツ)
スコータイ歴史公園の営業時間
スコータイ歴史公園の開放時間は毎日08:00〜19:00までです。
ただ、上述したように特に城壁外のエリアは人通りがただでさえ少ないので、日が暮れてから周るのは不気味に感じられます。不安要素が多いので、できるだけ早い時間から観光すると良いでしょう。
各エリアの遺跡MAP
それでは、以下のMAPを元に絶対に見るべき遺跡を紹介していきます。
- 左上の 地図上の全項目をリスト表示します。
- でお気に入り登録、 で各SNSやメールで共有できます。
- 右上ので拡大地図を表示します。
- 城壁内の遺跡 = ❶〜❿
- 北部エリアの遺跡 = ❶,❷
- 西部エリアの遺跡 = ❶,❷(灰色)
- 南部エリアの遺跡 = ❶
- 東部エリアの遺跡 = ❶
- その他のアイコン
- ソンテウ乗り場
- レンタルサイクルショップ
- ホテル、ゲストハウス
城壁内の遺跡
❶ ワット・マイ(Wat Mai / วัดใหม่)
城壁内にある料金所に入って、一番最初に目につく遺跡。
基礎部分と柱しか残っていないので、この遺跡自体に大した見所はありませんが、これから目にするインパクトある遺跡群観光の下馴らしとして軽く見ておきます。
遺跡に登るとこんな感じ。当時は重要な聖域として扱われていたようで、元々ワット・マイにはブロンズ像のブッダが安置されていたそうです。
現在そのブッダ像は、上MAP番号9のラームカムヘーン国立博物館にて展示されています。
❷ ワット・マハータート(Wat Mahathat / วัดมหาธาตุ)
複雑な構成をした巨大な王室寺院。スコータイ歴史公園の中で最も重要とされ、また最も印象的でもあります。
ワット・マハータートは1292年〜1347年の、スコータイ歴史上黄金期と呼ばれるラームカムヘーン王時代前後に建築されたと言われています。
ただ、現在見られる部分の多くは、20世紀に入って修復されたものです。
ワット・マハータートの中で特に目を引くのが、高さ8mの巨大な仏像と、台座の坐像(上写真)。
寺院構成の詳しい歴史よりも、とにかく上の仏陀像の迫力に圧倒されるでしょう。視覚的なインパクト大の遺跡です。
❸ ワット・シーサワイ(Wat Sri Sawai / วัดศรีสวาย)
12世紀後半から13世紀初頭に建築されたとするクメール式の寺院。元々はヒンドゥー教の聖域として建設されましたが、後に仏教寺院に改築されました。
ワット・シーサワイにも、アンコールワット遺跡のレリーフにもよく登場するカーラという怪物が所々に彫刻されています。
本家のアンコールワット遺跡群ほどではありませんが、中々の迫力があります。また、スコータイ遺跡の中にある数少ないクメール式寺院なので新鮮。
❹ ワット・トラパングーン(Wat Trapang Ngoen / วัดตระพังเงิน)
ユニークな姿の仏陀像が目を引く仏塔。この遊行仏と呼ばれる優雅に歩いている様の仏像も、スコータイ王朝が確立した独自の形式の一つです。
通常、仏像と言えば威厳や重々しさを感じさせますが、この仏像の優雅に歩いている様とおだやかな表情は、他の仏像からは感じられない和やかな気持ちにさせてくれます。
❺ ワット・サシー(Wat Sra Sri / วัดสระศรี)
スリランカ式の仏塔と坐像が印象的な小さな寺院。寺院の周りは池になっていて、まるで小さい島の中に建てられているのが特徴的。寺院に架けられている橋を渡って敷地内に入ります。
視覚的にそれほど大きなインパクトはありませんが、スコータイ歴史公園に来たら見ておきたい寺院。
❻ ラームカムヘーン大王記念碑(King Ram Khamhaeng Monument / พระบรมราชานุสาวรีย์พ่อขุนรามคำแหงมหาราช)
スコータイ王朝三代目の王であるラームカムヘーン大王のモニュメント。
ラームカムヘーン王はタイ文字を作った人物であり、タイの学校の授業では歴史的な5大王(ナライ王、タークシン王、ラーマ1世、ラーマ5世、そしてラームカムヘーン王)の内の一人として必ず習うのだそう。
スコータイ王朝が勢力を最大限にまで広げ、黄金期を迎えた時代の王であるとのこと。
❼ ラームカムヘーン国立博物館(Ram Khamhaeng National Museum / พิพิธภัณฑสถานแห่งชาติรามคำแหง)
スコータイ歴史公園で発見された仏像、美術品、骨董品、各寺院の碑文などを展示している博物館。
それ以外にも、スコータイ時代やアユタヤ時代の人々にあった生活様式、文化習慣、伝統なども展示されています。
(博物館の敷地内にもいくつかのモニュメントがある)
❽ ワット・トラパントーン(Wat Trapang Thong / วัดตระพังทอง)
金の池と呼ばれる池の中の小島にある寺院。近くには庶民向けの大きなマーケットやレストランなどが並んでいるので、休憩がてら立ち寄るのに丁度良い場所にあります。
❾ ター・パー・デーン堂(Tha Pa Daeng / ศาลตาผาแดง)
スコータイ歴史公園内で最も古いとされる、小さなヒンドゥー教の祠堂。
元々は現在の形から更に上部に繋がる構造を持っていた建築物と見られていますが、現在では上部が完全に欠落しているため、内部は人一人が通れるくらいの小さなスペースしかありません。
この祠堂の内部からは、クメール様式の石像が5つ発見されたとのこと。
❿ ワット・ソラサック(Wat Sorasak / วัดสรศักดิ์)
1412年に建てられたとされる小さな寺院。象に囲まれた仏塔が特徴的。
仏教寺院では象は守護者とも見られていたようで、こうした象に囲まれた形式の仏塔は、スコータイのみならずチェンマイなどもよく見られます。
保存状態が良い。
北部エリアの遺跡
❶ ワット・シーチュム(Wat Sri Chum / วัดศรีชุม)
高さ15メートル、幅11メートルもあるスコータイ最大の仏像がある寺院。
個人的にスコータイ歴史公園観光における最大のハイライトであり、これまで見てきたタイの仏像の中で最も大きな衝撃を受けました。
大きさもさることながら、外側から仏像の顔が部分的にだけ見える様が何とも神秘的に感じられます。
(本堂の壁の隙間から仏像がのぞける)
本堂内には天井がありません。
そのため、上空から入ってくる鳥の鳴き声が本堂内に響き渡り、一層神秘さを増します。
ワット・シー・チュムは、スコータイ歴史公園の中で絶対に外せない寺院なので、必ず足を運んで欲しいと思います。
❷ ワット・プラパーイルアン(Wat Phra Pai Luang / วัดพระพายหลวง)
スコータイ歴史公園一帯が、まだアンコール王朝の支配下にあった時代に作られたとされる寺院。
スコータイ遺跡の中では割と崩壊が激しい。
西部エリアの遺跡
❶ ワット・サパーン・ヒン(Wat Saphan Hin / วัดสะพานหิน)
高さ約200mの丘の上に位置する遺跡。スコータイ歴史公園の中で最も視覚的に壮観です。
頂上に登るまでに10分〜15分かかりますが、頂上からは見晴らしの良い景色がのぞめます。
(頂上からの景色)
碑文によれば、この寺院にはラムカムヘーン王も頻繁に訪れていたようで、スコータイ歴史公園の中ではかなり重要な遺跡だったとのこと。
頂上には「プラ・アッターロ」という名の、高さ12.5mの仏像が立っています。
(プラ・アッターロ)
ワット・サパーン・ヒンは、上に挙げた邦人女性殺害事件が起こった現場なので、少し気を引き締めて観光しましょう。
❷ ワット・カオ・プラ・バット・ノイ(Wat Khao Phra Bat Noi / วัดเขาพระบาทน้อย)
小さな丘の上にある遺跡。
正直大した見所とは感じませんが、上で紹介したワット・サパーン・ヒンからそう遠くない場所にあるので、トゥクトゥクで周るならついでに見てみるのも良いかもしれません。
南部エリアの遺跡
❶ ワット・チェートゥポン(Wat Chetuphon / วัดเชตุพน)
残っているいる仏像は巨大な遊行仏像のみで、他は殆ど崩壊してしまっている遺跡。広い境内の中にデンと鎮座する、巨大な遊行仏像に目を引かれます。
(遊行仏像。頭部が残っていないのが残念)
ワット・チェートゥポンは、見たところあまり修復が進んでおらず、また周辺には全く観光客の姿が見えません。スコータイ遺跡の、手付かずのリアルな光景が垣間見えます。
東部エリアの遺跡
❶ ワット・チャン・ロム(Wat Chang Lom / วัดช้างล้อม)
ワット・ソラサックと同様に、象が支えているユニークな仏塔。象は合計で32頭います。
ちなみに、以下で紹介する歴史公園周辺のおすすめホテル「レゲンハ スコータイ ホテル」の敷地と繋がっています。
歴史公園(旧市街)周辺のおすすめホテル
スコータイ歴史公園の周辺には、観光客用のホテルも複数点在しています。
大抵のホテルで自転車のレンタルを行っているので、周辺のホテルに滞在すると歴史公園の観光に便利です。
ただ、歴史公園周辺のホテルは、毎年11頃に行われるタイの伝統行事ロイクラトンが近くなると、宿泊料金が大幅に上がるうえ、予約がすぐに埋まってしまうので注意が必要です。
ロイクラトンに参加予定の人は、遅くとも1ヶ月前には旅程をしっかりと立てて、予約も済ませておいた方が良いでしょう。
以下では、スコータイ歴史公園周辺の中で特におすすめのホテル2軒を紹介します。
レゲンハ スコータイ ホテル (Legendha Sukhothai Hotel)
歴史公園の遺跡ワット・チャン・ロムと隣接している大きなリゾートホテル。
ホテル内の様々な場所に、日本にも通ずる”和”スタイルのオブジェが置いてあり、スコータイ遺跡の神秘さと相乗して良い雰囲気を演出しています。
また、ホテル敷地内には朝食会場兼ディナーも楽しめるレストランが併設されており、夜からはタイ舞踊のダンスを見られます。
タイ舞踊
客室内もホテル敷地内も、まさに”お屋敷”といった作りです。シーズンにもよりますが、1泊の宿泊料金は4,000円台と安価なのも嬉しい。
シャワールームはバスタブ付きで、アメニティは一通り完備しています。
WiFiの感度も良く、快適なホテルライフを送れます。歴史公園周辺では最もおすすめのホテルです。
宿泊料金・予約の確認は以下より可能です。
サワディースコータイ リゾート (SawasdeeSukhothai Resort)
スコータイ歴史公園の城壁内料金所から1.8kmの場所にある、バンガロータイプのホテル。
ホテル敷地内には、広くて手入れされた庭が広がっていて、昼間に歩くと気持ち良いです。
宿泊客は家族連れが多めでした。
天蓋付きのベッドや、象柄のクッションが良い雰囲気を出しています。1泊の宿泊料金は、シーズンにもよりますが4,000円台。
シャワールームは、シャワーブースとトイレの間に仕切りがあるタイプです。アメニティ完備。
ホテル内には、レストランの他にちょっとした売店も設備されています。また、ホテルレセプションで自転車レンタルやトゥクトゥク・タクシーの送迎サービスも依頼できます。
ホテルにはプールも設備されているので、リゾート感を味わいながら快適に過ごせます。
ホテルのプール。
宿泊料金・予約確認は以下より可能です。
その他、新市街も含めスコータイのおすすめホテルについては、以下の記事も参考にどうぞ。
【便利】歴史公園近くのバスステーション
通常、スコータイからバンコクやチェンマイなどの他都市へ行く場合、歴史公園から15kmほど離れたスコータイバスステーションからバスに乗ります。
しかし、歴史公園からスコータイバスステーションまで行かずとも、歴史公園から1km程度の場所(上のGoogle Mapで、黄色のバスマークで記している場所)にも、小さいバスステーション(名前はWintour Bus Station)があります。
このバスステーションからは、バンコク行き(途中で通るアユタヤにて降りることも可能)とチェンマイ行きのみのバスが出ています。歴史公園周辺に滞在する人は知っておくと便利です。
バスの発車時刻は以下の通りです。
- バンコク行き/08:20AM・12:20PM・21:50PMの3本
- チェンマイ行き/06:50AM・07:35AM・08:50AM・09:50AM・12:10PM・14:00PMの6本
料金は、バンコク(アユタヤ)行きが207バーツ、チェンマイ行きが310バーツです(2017年4月現在)。
バスを利用する際には2つの注意点があります。
- バスのチケットは当日購入不可。前日までに購入しなくてはならない
- バス発車時刻の20分前にはバスステーションにいなくてはならない
バンコクまでの所要時間は7時間〜8時間、チェンマイまでの所要時間は3時間〜4時間程度を見ておくと良いです。
新市街にも足を運ぼう
スコータイには歴史公園だけではなく、ツーリストエリアとなっている新市街も存在します。
以下の記事では、スコータイ新市街も含め、スコータイ内での交通手段、スコータイのグルメ、スコータイへの行き方など、観光における基本情報を網羅して記載しています。
当記事と合わせて旅行前に読んでおくと、一層効率的にスコータイ旅行を楽しめるかと思います。
それでは、スコータイ旅行及びスコータイ遺跡観光を楽しんでください。
スコータイへ行くなら合わせて観光したい!北部最大の街「チェンマイ」の見どころを紹介。
また、タイ北部と言えばチェンライもおすすめ。魅力あふれる寺院を紹介します。
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