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プノンクーレン(Phnom Kulen/クメール語:ភ្នំគូលែន)とは、シェムリアップ市街から北東へ約60km(所要時間は片道約1時間30分)の場所にある国立公園です。
プノンの意味は山。クーレンの意味はライチ。その名の通り、ライチの木が生い茂る大きな山です。
標高は487m。日本の国立公園同様に自然の風景地を保護する目的で管理されています。
プノンクーレンはアンコールワットをはじめとしたアンコール遺跡群の一環として紹介されることが多いです。
ただ、遺跡観光を主目的として行く所ではありません。確かに、公園内には後述する1,000本リンガやスラードムライ、プリアアントム涅槃仏などの寺院や遺跡があります。
プノンクレーンが信仰の場であることが見て感じられるでしょう。とは言え、主体は寺院や遺跡ではありません。
公園内にある滝つぼで川遊びを楽しんだり、家族連れがピクニックを楽しむ場所です。
(バーベキューを楽しむ地元カンボジア人達)
自分がプノンクーレンへ行った時も、遺跡観光目的の外国人はほぼ皆無で、遊びに来ている地元カンボジア人達の方が多かったです。
遺跡観光に飽きた人やカンボジア人の週末の過ごし方に興味がある人、純粋に自然の景観を楽しみたい人におすすめのスポットと言えます。
今回の記事では、プノンクーレンに興味がある人に向けて
- プノンクーレンの地図
- 必見の遺跡とマニアックな遺跡
- プノンクーレンの行き方
- 営業時間
- 観光時の注意点
について詳しく記載します。個人的には純粋にアクティビティを楽しむ目的で訪れるのがおすすめ。
プノンクーレン(Phnom Kulen)
プノンクーレンはアンコール遺跡群の中でも、特別な宗教的意義を持つ地です。
その理由は、アンコールワットをはじめとした数々のアンコール遺跡群を建設したクメール王朝発祥の地が、このプノンクレーンだからです。
クメール王朝が発祥したのは802年頃。
時の王ジャヤバルマン2世が、かつて宗主国であったジャワ(現在のインドネシア)からの独立をプノンクーレンにて宣言、こうしてクメール王朝が始まったと伝えられています。
こうした歴史もあり、プノンクーレンの広大な敷地内には当時建設された50をも超える遺跡が点在しています。
ちなみに、プノンクーレンはアンコール遺跡群を建設するための採石場だったとのこと。その昔、プノンクーレンで採った岩を象の背中に乗せてアンコールワットまで運んでいました。
現在は家族連れやカップルが休日に訪れる自然豊かな国立公園
先述したように、プノンクーレンには遺跡観光目的で訪れる人よりも、日本の国立公園同様にピクニックなど家族や友達同士の時間を過ごすために訪れるカンボジア人の方が多いです。
真面目に遺跡観光をしている人は殆どいません。と言うのも、プノンクーレンにある50以上もの遺跡の殆どが、我々旅行者からすると見所がない地味で小さい物ばかりです。
視覚的なインパクトはあまり感じられません。
メインとなる3ヶ所の遺跡や寺院にはそれなりに参拝者がいるものの、その他の遺跡はアクセスが悪いこともあり、訪れる人が殆どいないといった印象です。
自分は行く前までアンコールワット遺跡群のように観光客だらけの場所かと思っていましたが、来てみてびっくり。観光客の姿は2組〜3組しか見かけませんでした。
プノンクーレンの地図
(プノンクーレンの地図)
上地図の通り、プノンクーレンの敷地は広大です。
入り口から最も近い
- 滝つぼ
- 千本リンガ
- プリアアントム
の3ヶ所が主な見所となっています。
上記3ヶ所にはレストランなどもあり、地元カンボジア人が多くて賑やか。
ツアー等で組まれているプノンクーレン観光も、上記3エリアのみの訪問であることが多いです。
プノンクーレン = 上記3エリアという認識を持っていて良いでしょう。上記3エリア周辺は道も舗装されています。危険を感じることはありません。
上記3ヶ所以外の場所になると人影が少ないです。個人で行くのは危険でしょう。信頼できるドライバーと行くかガイドをつけることを推奨します。
また、上記3ヶ所以外の道中には未だ地雷が撤去されていないエリアもあるとのこと。
(上記3エリアを離れると、途端に人がいなくなる。たまに地元民とすれ違う程度。道は舗装されていなくて険しい)
シェムリアップのバイクタクシードライバーにも、上記3エリア以外には行ったことがないという人が多いです。
緑色で記載しているルーンプロチウ洞窟やスラードムライは、入り口から8km前後も距離があります。
この2ヶ所は行く人こそ少ないですが、マニアックな人気があります。
ただ、詳細は後述していますが、上記2ヶ所への道中はかなりハードです。余程遺跡に興味がある人以外は行くべきではないでしょう。
自分は旅慣れしているつもりですが、行き着くまでに何度か後悔したほど疲れました。
その他のエリアになると行く人は殆どいません。上述したように視覚的なインパクトのない遺跡ばかりなので行く必要もないでしょう。
プノンクーレンの人気観光地
プノンクーレンに来たら必ず足を運びたい
- 滝つぼ(Cascaded Waterfall)
- 千本リンガ(A Thousand lingas)
- プリアアントム(Preah Ang Thom)
滝つぼ(Cascaded Waterfall)
プノンクーレンで一番のメインと言える場所。
上流と下流で2段の滝が流れています。上流の滝が高さ4〜5メートル。幅は約25メートル。
下流の滝の滝が高さ15〜20メートル。幅は約15メートル。
上流の滝つぼは足首までの深さしかありません。冷たい水に足を浸けて歩くのが気持ち良い。
(冷んやりして気持ち良い。川底は滑りやすいので要注意)
急な階段を降りて下流へ行くと2段目の滝が姿を表します。下流の滝つぼは腰くらいの深さがあるので、泳いでいる人が多いです。
昔は兵士の水浴び場だったとのこと。
水は少々濁っていますが、今でも十分川遊びできます。
貴重品を預けるセーフティボックスの利用は1USドル。更衣室利用は0.5USドルです。
水着や救命胴衣、うきわ等のレンタルも可能。
日差しが強い日は、是非カンボジア人に混じって泳いでみましょう。
6月〜10月の雨季は水かさが増します。大雨の翌日は増水により遊泳禁止になることもあるので要注意。事前にシェムリアップの天気を確認しておきましょう。
また、滝つぼの流れは少々早いです。子連れの方は目を離さないよう注意しておきましょう。
遊泳に年齢制限はありませんが、見たところカンボジア人は15歳以上の人しか泳いでいませんでした。
千本リンガ(A Thousand lingas)
滝つぼから約750m、ロープで作られた柵がある川沿いを覗いてみると、底に凸凹とした『千本リンガ』という彫刻が見えます。
千本リンガとは、男性器をかたどった彫像です。ヒンドゥー教ではシバ神の象徴として崇拝の対象とされています。
カンボジアはインド文化の影響を大きく受けているため、プノンクーレンに限らずアンコール遺跡の様々な場所でリンガを見受けられます。
(千本リンガの横で川遊びをするカンボジア人の子供達)
千本リンガは川底に名前の通り千近くの大量のリンガが刻まれているだけです。正直、そこまで壮大な景色ではなく、どちらかという地味…。あまり大きな期待はせずに足を運ぶと良いです。
プリアアントム(Preah Ang Thom)
個人的にプノンクーレン内で最も迫力があって面白かった場所。
長い石段を上がると、大きな岩の頂上に寺院が建てられています。寺院の中にはカンボジア国内で最も大きい涅槃仏が横たわっています。大迫力。
(大きな岩の頂上にある寺院)
(寺院周辺には大きな岩がいくつもある。かつてプノンクーレンがアンコールワット建設のための採石場だったことを思わせる)
頂上にある全長8mの巨大な涅槃仏。
タイのバンコクにあるワットポーを見たことがある方なら大きな感動は得られないかもしれませんが、建物が狭いせいか数字以上に大きく見えます。
頂上からの清々しい景色。
アンコールワット周辺の遺跡に比べると決してテンションの高い場所ではありませんが、ロケーションは素敵です。プノンクーレンに来たら必見の寺院。
秘境。幻の巨象スラードムライ
以下で紹介するスラードムライとルーンプロチウ洞窟は、先述したようにハードな道のりです。
控えめに言っても相当な覚悟がいるので、体力に自信があれば足を運んでみましょう。2ヶ所ともバイクタクシーでしか行くことができないので要注意。
上写真のような舗装されていない山道をひたすらにバイクで進みます。凸凹が激しく、草木が頻繁に体にぶつかります。
ぬかるんでバイクが進まない場所もあり、押して進んだりと大変でした。
滝つぼがあるエリアからは40分ちかくかかります。確実にお尻が悲鳴を上げ、次の日は筋肉痛になるでしょう。繰り返しになりますが体力に自信のある方のみにおすすめ。
ある意味「本物の探検」を味わえるので、それはそれで面白いですが。
スラードムライ(Sras Domrei)
いつ、誰が、何のために使ったか起源が一切謎と言われている幻の巨象。
高さは3m、体長は6m。山中の険しい道を突き進むと、人気のないエリアにポツンと佇んでいます。この雰囲気はまさに秘境。
象の横には獅子やカエルの像もあります。
秘境と言われたアンコールワットが外国人観光客で溢れる中、アンコールワット同様に人知れず(恐らく)何百年も眠り続け、それでいて起源が謎の遺跡スラードムライ。
人気のない密林の中、小鳥のさえずりだけが響き渡るこの場所で見る幻の遺跡は神秘的に映ります。
これぞ本物の秘境と言えるでしょう。遺跡好きなら苦労してでも行く価値のある場所です。
ルーンプロチウ洞窟(Bat Cave)
別名で「コウモリの洞窟(Bat Cave)」とも呼ばれる洞窟。
その名の通り、大量のコウモリが生息しています。そもそもは僧侶が瞑想をするために作られた洞窟とのこと。
洞窟内はスマホでライトを照らさないと何も見えないほど暗いです。
所々に仏像などが安置されているだけですが、探検感は味わえます。スラードムライからは1km程度しか離れていないので、こちらにも足を運んでみましょう。
プノンクーレンへの行き方
シェムリアップ市街からプノンクーレンへの距離は約60km。片道の所要時間は1時間30分を見ておくと良いです。
市街からプノンクーレンへ行くには、以下2つの方法があります。
- バイクタクシーを使う(チャーター35USドル)
- ツアーを利用する
バイクタクシーで行く
プノンクーレン内は山道なので、トゥクトゥクや車だと入り口までしか入れません。
そのため、バイクタクシー以外で来た場合は、プノンクーレン内で待機しているバイクタクシーに乗り換える必要があります(約20USドル)。
無駄に多くの料金を払うことになるので、最初からバイクタクシーで行くのが無難。バイクタクシーの料金は往復チャーターで35USドルが目安です。
35USドルで人気の観光地3ヶ所とスラードムライを含めたマニアックな観光地2ヶ所を全て回ってくれます。
ただし、スラードムライやルーンプロチウ洞窟周辺は人通りが殆どありません。
そのため、信頼できるドライバーでない限り、女性の一人旅でスラードムライやルーンプロチウ洞窟へ行くのはおすすめできません。
万が一、道中でドライバーに襲われても誰も助けに来てくれないでしょう。
女性一人旅や海外旅行に慣れていない人は、以下のツアーを利用することを強く推奨します。
ツアーを利用する
催行会社への問い合わせや緊急の連絡も日本語で可能なので、何から何まで安心と言えるでしょう。
(予約後は上写真のバウチャーがメールアドレスに届きます。バウチャーをプリントアウトするかスマホに保存して持参しましょう)
ツアーであれば信頼できる日本語ガイド案内の下、プノンクーレン観光を楽しめます。
また、遺跡や寺院に関する詳しい説明も受けられるので、自力で行くよりも満足度は高いです。
ガイドは写真係にもなってくれます。
プノンクーレンの開放時間
プノンクーレンは開門時間が6:00〜12:00までと決められています。12:00以降になると下山しかできません。
そのため、観光スケジュールは午前発になると認識しておきましょう。自分は8:30にホテルを出発しました。
入場料金
入場料金は20USドルです。
バイクタクシーをチャーターする場合は入場料20USドル + チャーター代35USドルで合計55USドルが観光費用の目安となります。
観光時の注意点。虫除けスプレーを必ず塗っておこう
プノンクーレンは山なので街中以上に蚊が多くいます。
厚生労働省検疫所によれば
カンボジアの沿岸部を含む田舎の森林地域はすべて一年中マラリアのリスクがあり、プノンペンやトンレサップ付近(シェムリアップ)、アンコールワットではリスクはないか、ごくわずかです。
とのこと。
可能性こそ低いもののマラリアのリスクが少なからずあるので、必ず虫除けスプレーを持参しましょう。
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その他、カンボジア旅行の必需品や観光の便利グッズについては、以下の記事も参考にどうぞ。
遺跡に飽きた人におすすめ
シェムリアップ旅行は遺跡観光がメインになりますが、遺跡ばかり見ていたらどうしても飽きるでしょう。
そんな人はプノンクーレンを観光スケジュールに入れてみると良いです。
また、秘境巡りが好きな方もスラードムライまで足を運べば満足度は高まるでしょう。
とにもかくにも遺跡よりも滝での川遊びや自然の景観を楽しむのがメインの場所です。日本の国立公園同様にのどかな雰囲気を楽しむ目的で行って頂ければと思います。
その他、シェムリアップにある全てのおすすめ観光地については、以下の記事を参考にどうぞ。
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