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ヤワラートの潮州料理店で出会った“コクレンの刺身” 淡水魚を使った伝統中華の味

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ヤワラートのタン チュア リーで食べたコクレンの刺身アイキャッチ画像

以前、X(旧Twitter)で見かけて気になっていた、チャオプラヤー・タイムズ松永さんの投稿がこちら。

バンコクの中華街「ヤワラート」では、老舗の潮州ちょうしゅう料理店を中心に、中国原産の淡水魚「コクレン」を使った刺身や鍋料理が味わえるそうです。

日本では淡水魚の刺身はほとんど見かけませんよね。
だからこそ、“海外ならではの一皿”として強く興味を惹かれました。

実際に訪れてみると、その一皿は淡水魚の印象を覆す美味しさ。

珍味というイメージでしたが、むしろ上品。グルメタウン・ヤワラートを象徴する“知られざる伝統中華の味”でした。

ヤワラートの老舗 潮州料理店「タン チュア リー」

ヤワラートのタン チュア リー外観

今回訪れたのは、MRTファランポーン駅から徒歩4分の場所にある老舗の潮州料理店「タン チュア リー(ตั้งจั๊วหลี / Tang Chua Lee)」。

潮州料理とは、広東省東部・潮汕地方発祥の中華料理で、魚介を生かした繊細で上品な味付けが特徴です。
タイでは、華人人口の約55%が潮州系とされ、バンコクの中でもヤワラート地区を中心に、その食文化が深く根づいています(出典:東京都立大学 海域アジア・オセアニアNEWSLETTER, 2023年)。

今回入店したのは松永さんの投稿で見た店とは別ですが、たまたま店頭のメニューに“コクレンの刺身”を見つけて入店。思いがけない発見でした。

ヤワラートのタン チュア リー店内

店内は円卓が並ぶ落ち着いた雰囲気。創業80年以上の老舗らしく、地元客にも長く愛されています。

そんな歴史ある店で提供されるのが、潮州系の中華風刺身(ฮื่อแซ)です。
もともと潮州料理の伝統として知られる一品ですが、近年は華僑のあいだでも寄生虫リスクなどへの意識が高まり、提供する店は減少傾向にあります。
そのため、現在では限られた老舗でしか味わえない貴重な料理となっています。

その希少性もあってか、タイのグルメサイトでも高評価が多く寄せられています。味への期待がさらに高まります。

看板メニュー3品は海鮮尽くし。名物は魚の鍋と牡蠣炒め

お店の一押しは、いずれも海鮮を使った3品。

オースワンのメニュー

一品目は、ヤワラートではおなじみのタイ中華料理のオースワン(ออส่วน)。いわゆる『タイ風牡蠣のお好み焼き』です。
ヤワラートではカリッと焼き上げるたタイプ「ホイトート」もよく見かけますが、こちらは卵でとじたとろとろ食感の牡蠣炒めです。

コクレン刺身のメニュー

二品目は、コクレンの刺身(ปลาดิบจีน / Chinese sashimi)
メニューには “Sashimi Chinese style with sesame topping” と記されており、ごまや薬味を添えていただく中華風刺身として提供されています。

フアプラ・モーファイのメニュー

そして三品目は、白身魚の頭や身を煮込んだ潮州風の魚鍋(モーファイ)
家族連れのテーブルには、ほぼ必ずこの一品が並んでいました。

今回は筆者一人の訪問だったため、鍋は見送り、刺身とオースワンのSサイズを注文しました。
しかしこの鍋も気になるところ。口コミでは「来たら必ず鍋を食べるべき」と評される人気メニューです。
次回は友人と訪れて、この名物鍋を囲みながら味わってみたいと思います。

淡水魚の刺身は想像以上。コクレンの旨みに驚く新体験

コクレンの刺身

こちらがコクレンの刺身(250バーツ)。
皿いっぱいに広がる白身には、香ばしい煎りごまがたっぷり。見た目はまるでカンパチの刺身のようですが、より透明感があり、淡い桜色を帯びています。

コクレンの刺身2

身はしっかりと血抜き・水切りされているようで、淡水魚のイメージにある臭みはまったくありませんでした。

コクレン刺身の付け合わせ

付け合わせも印象的です。パイナップルや大根のツマ、千切りのたくあん、香ばしい揚げフレークなど、酸味・甘味・香りを重ねることで魚の旨みを際立たせています。

コクレンの刺身3

タレは、中国風の梅ソースに砂糖・酢・煎りピーナッツ・ごま・チリペーストを混ぜたもの。甘酸っぱく、少しスパイシーで、まさにこの料理の要。コクレン自体は淡白ですが、付け合わせや特製ダレが深みを与えています。ビールが欲しくなる味わいです。

歯ごたえはスズキのようです。ほどよいコリコリ感と清涼感があります。

「これが淡水魚の刺身か…」。想像していたより食べやすい。日本人の口にも合う味で、さくっと完食してしまいました。

潮州由来の中華料理。ぷりぷり牡蠣のオースワンもおすすめ

オースワン

オースワン(Stir-fried oyster with egg / ออส่วน) / 250バーツ

もう一品おすすめしたいのが、潮州系中華の定番「オースワン」。
とろみのある卵とぷりぷりの牡蠣を炒め合わせた料理で、口当たりはややこってりしつつも油っぽさはなく、まろやかで優しい味わいです。

オースワン2

コクレン刺身が“さっぱり淡白”なのに対し、オースワンは“旨みとコク”のバランス型。

続けて食べると、刺身の清涼感と牡蠣の濃厚さが引き立て合い、同じ潮州ルーツでも、まったく違う方向性の味を楽しめます。

海鮮の旨みを食べ比べたいなら、この2皿をセットで頼むのがおすすめです。

ヤワラート『タンチュアリー』への行き方と基本情報

店は、バンコク中華街・ヤワラート通りの東端にあり、周辺には今注目を集めるカルチャースポットが点在しています。
徒歩圏内には、リノベ古民家が並ぶソンワート通りや、アートとカフェが融合したタラートノイも。
食事の前後に散歩しながら、古い街並みと新しい感性が共存するこの界隈を楽しむのもおすすめです。

ヤワラートの中心部までも徒歩5分ほどで、ヤワラート通り観光ガイドと合わせて巡れば、1日で“バンコク旧市街の今”を感じることができます

バンコクで味わう食文化の深み

ヤワラートやソンワット通りを歩くと、昔ながらの中華の香りと新しいカルチャーが混ざり合います。
そんな“食の街”バンコクには、思わず足を運びたくなる名店が他にもあります。

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