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以前、ツイッターで「シェムリアップに行く」と呟いた時に、シェムリアップ在住者のアカウントから「カンボジアサーカスファーは面白いから絶対に見た方が良い」というコメントを貰いました。
シェムリアップのイメージと言えば、言わずもがなアンコールワット。
正直なところ、サーカスなんて「観光客の暇つぶし用に”ついで”で作られた子供騙しのショー」とか「虐待した動物を使う悲惨な興行」くらいにしか思っていませんでした。
なのでサーカスの存在自体は前々から知っていたものの、見てみようという気にはならなかったのです。
ただ、シェムリアップの旅行は今回で5度目。見所とされる遺跡は大方回ったし、そろそろ遺跡観光に飽きてきたのもあり、シェムリアップのサーカスを期待せずに見てきました。
サーカスの名前は「カンボジアサーカスファー(Phare, The Cambodian Circus)」
このサーカス、控え目に言ってもめちゃくちゃ面白かったです。
会場の規模こそ小さいですが、”プチ” シルク・ドゥ・ソレイユとでも言うのでしょうか、カンボジアならではなストーリー仕立ての超人パフォーマンスサーカスで、動物は一切使っていません。
途中途中の説明では、質は低いですが日本語翻訳もあるので、英語やクメール語が分からなくても楽しめます。
確かに、在住者の方が言っていた通り、シェムリアップに来たら絶対に見る価値のあるショーです。
チケット料金はホテル⇔サーカスへの往復送迎込みで大人一人26UDドル前後〜(5歳〜11歳は20USドル。5歳以下は無料)。木下サーカスよりも高いですが、往復送迎込みなので悪くはない金額です。
ちなみに、+15USドルでディナーオプションの追加も可能(子供は10USドル)。
今回の記事ではカンボジアサーカスファーの魅力と会場の場所、チケット予約方法について詳しく記載します。
サーカスの開演は17時から(公演は約1時間)。遺跡ばかりで飽き飽きしてしまいがちなシェムリアップ観光の程よいアクセントにどうぞ。
カンボジアサーカスファー(Cambodia Circus Phare)
(テント張りで典型的な見た目のサーカス会場。収容可能人数は300人くらい)
カンボジアサーカスファーは、カンボジア西部の都市バッタンバン(Battambang)にあるNGOのサーカス養成学校「ファー・ポンルー・セルパク(Phare Ponleu Selpak)」の卒業生で構成されている団体です。
ファー・ポンルー・セルパクは、1986年にタイ国境近くの難民キャンプにて、フランス人のVeronique Decropが芸術療法の一貫として難民の子供達向けに絵画教室を開始したのが始まりだったとのこと。
絵画教室に参加していた子供達は、1992年に難民キャンプからカンボジアに戻ると、母国復興のためバッタンバンの小さな村の孤児院で絵画教室を始動しました。
その後、1994年にファー・ポンルー・セルパクを本格始動。教育行政とも連携して、1996年には音楽の教育プログラム、1998年にはサーカスの教育プログラムを加えて今日に至ります。
1993年に内戦が終結したカンボジアですが、内戦中のポル・ポト政権による頭脳階級の粛清による影響で、そもそも「学ぶこと」の必要性を理解できていない子供が多いのが現状です。
そんな中、芸術やサーカスを通して子供達に学校への興味を持ってもらおうとした狙いが功を成し、現在ファー・ポンルー・セルパクでは1,000人以上の学生を抱え、500人以上が職業訓練所にも通うようになったとのこと。
恥ずかしながら、自分は冒頭にも書いたように「観光客から金を落とさせるために作った適当なサーカス」などと思っていたわけです。
しかし、カンボジアサーカスファーは、国内で最も貧しいであろう子供達を支援するため、収益の75%をファー・ポンルー・セルパクに送っています。
カンボジアサーカスファーのショー『Same Same but Different』
カンボジアサーカスファーでは、日によって内容が異なる以下9つのショーが存在します。
- Khmer Metal
- Same Same but Different
- Eclipse
- Influence
- Sokha
- Chills
- Tchamlaek
- The Adventure
- Proniap (Panic!)
いずれのショーにも共通しているのは、「動物を使わない」という点。空中ブランコやジャグリングなどの大道芸が中心です。
ショーによって「戦争」や「人種差別」「貧困」「人間関係」などセンシティブなテーマを扱っています。
動物が出てこないことと、テーマに社会性があることを考えると、どちらかと言えば大人向けのサーカスと言えるでしょう。
各ショーの詳しい内容と日程については、以下公式サイト(英語)から確認可能です。
参考
Schedule&RatesThe Cambodian Circus
Same Same but Different
今回、自分が見たショーの題名は「Same Same but Different」
テーマは、「カンボジア人と外国人観光客とで異なる習慣や生活様式の違い」を表現しているとのこと。突然の豪雨や停電、夕食時の過ごし方。様々な場面で見られる文化的な違い。
例えば、観光地で一眼レフ片手に一生懸命建築物を撮影する外国人に対して、カンボジア人は自分を上手に撮ってSNSで自身のキメ顔をシェアするナルシストぶりを発揮するなど。
カンボジアの文化に詳しいわけではないので、そこまで「あるある」を感じられるわけではありませんでしたが、こうしたコメディー要素を挟みながらアクロバティックな技を披露していきます。
コミカルな演出もあれば、大ジャンプなどの驚異的パフォーマンスもあり、良いバランスで物語が進んでいきます。
照明やバンド演奏、キャストの仕草も素晴らしく、トータルで完成度の高いエンターテイメントです。
公演時間は1時間ですが、物語に引き込まれるのであっという間に感じられます。
キャストの中にはガチムチのゲイキャラがいたり、途中ではブレイクダンスなどもあったりで、とにかく面白いです。
連日遺跡ばかり観光していたせいか、新鮮味もありました。満足度の高い一時間です。
サーカス会場のレストランでディナー
冒頭でも述べた通り、予約するチケットにはディナーのオプション(大人一人15USドル)があります。
ディナーはサーカス場に併設されているレストランで、公演後に食べます。
ディナーはコース料理形式で、ココナッツミルクたっぷりの甘くて美味しいソムローカレーやバナナデザートなど。
美味しい上にスタッフの対応が五つ星レストラン並に丁寧で、快適に食べられました。ただ、15USドルというのは内容にしては少々高いかな。
街中の高級レストランと同じ料金です。なので、ディナーは予算に余裕がある人向け。
サーカスが終わるのが18時頃なので、ちょっと夕食には早い時間かも。街中で食べる方が良いでしょう。
ちなみに、レストランの他にお土産屋も併設されています。ここではファー・ポンルー・セルパクの生徒が作った手工芸品やサーカスの記念品、アート作品を購入可能。センスの良い作品ばかりなので要チェック。
サーカスチケットの予約方法と座席表指定について
チケット予約
カンボジアサーカスファーのチケットは、以下旅行代理店より予約可能です。
上記旅行代理店であれば、ホテル⇔サーカス会場までの往復送迎が付く上に、催行会社へ日本語での問い合わせもできるので何かと安心。
(送迎トゥクトゥクのドライバー。チケット手続きも全て行ってくれるので英語が分からなくても安心。帰りも会場で待っていてくれたし、チップを要求されることもなかった)
座席は絶対にA席(最前2列)が良い
サーカスの座席は上画像のように
- A席(正面エリア 最前2列席/45USドル)
- B席(正面エリア/35USドル)
- C席(左右席/26USドル)
に分かれています。せっかくなのでA席に座りたいところ。
上記リンクの予約ページにて、A席やB席の予約も日本語で問い合わせ可能です。
シェムリアップのサーカスは、ステージと客席の距離が近いので迫力があります。A席ならキャストの表情や仕草もしっかりと見えるので、他の席より臨場感もあります。
また、殆どのパフォーマンスは正面(A席側)を向いて行われるので、感動も大きいです。
せっかく足を運んだのに「見えにくかった」では面白くないでしょう。特にC席は場所によっては柱の影になっているので、最悪でもB席が良いです。
45USドルしますが絶対にA席を予約しましょう。
サーカス会場の場所
以下はサーカス会場の場所を記したGoogle Map
チケットは往復送迎込みですが、何かあった時に備えて念のため場所を把握しておきましょう。
サーカス会場はパブストリートから約2.5km。ソクサンロードを真っ直ぐ進むだけです。歩いて行くには厳しい距離なので、やはり送迎付きはありがたい。
街中からの所要時間は10分程度。
遺跡以外の観光ならサーカスがおすすめ
(公演終了後はキャスト達と記念撮影できる)
シェムリアップで遺跡以外の観光となると、中々何をしていいのか分からないもの。そんな人は是非サーカスを見てみましょう。
自分はシェムリアップ旅行5回目にして初めて足を運びましたが、シェムリアップが初めての人にもおすすめです。人間業は誰が見ても面白いと感じるので、小さなマイナー遺跡を見るより余程楽しめます。
その他、シェムリアップにある全てのおすすめ観光地については、以下の記事を参考にどうぞ。
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