【重要】5月1日からタイ入国に事前登録が必要に(TDAC導入)

【2025年大麻規制】タイで大麻を買うには診断書(処方箋)が必須に。現地クリニックで取得してみた

このページのURLをコピーする

この記事には広告を含む場合があります。広告の場合は、紹介している「商品の購入」「サービスの利用」によって、当サイトに売上の一部が還元されることがあります。

タイの大麻処方箋

2025年6月27日、タイ保健省のFDA(食品医薬品局)より、大麻に関する新たな規則への対応レポートが発表されました。

FDA タイ保健省・大麻新規則に関する対応レポート発表

画像引用:X(旧Twitter):@info_jcatより

発表内容の多くは事業者向けではあるものの、その目的は、無秩序に広がった娯楽使用を抑え、医療目的に限定する方向へ規制を見直すというものです。

こうした中で、筆者のような一般消費者にとって特に注目すべき点は、今後の大麻購入には「医療証明書(診断書)」が必要になる可能性が高いということです。

【4】消費者への影響

  • 個人消費者は家族療法を行う者は基準取得の必要なし(ただし販売は禁止)
  • 医療目的での使用には新しい医療証明書が必須
  • 医療証明なしでの所持・使用には、警察による捜索、花穂の押収、健康診断、最大20,000バーツの罰金の可能性

2025年6月28日現在は、制度施行まで14〜60日の猶予期間が設けられており、今のところは街中の店舗でも従来通り大麻を購入できます。

しかし、近い将来「診断書の提示」が必須となるのはほぼ確実であり、今後タイでの大麻購入を検討している人は、診断書 / 処方箋の取得方法について知っておく必要があるといえるでしょう。

なお、クリニックの説明によると、1つの診断書で購入できる大麻の量は、30日間で最大30グラムまでとされています。
この制限はまだ新しいものであり、それ以上の量を購入したい場合には、各ディスペンサリーに事前確認が必要とのことです。
場合によっては、複数の店舗を回らなければならないケースもあるといいます。

※ちなみに旅行者でも診断書の発行は可能です。

そこで今回は、タイ・バンコクにある医療大麻治療も行っている機関「HE Clinic」を訪れ、実際に医師による診断書(Medical Certificate)を発行してもらいました。

注意

今回お話を伺った医師によると、新規制の詳細はまだ最終決定に至っておらず、今後変更の可能性もあるとのこと。

たとえば、医療証明書の正式な様式や、すべての店舗でこの診断書が通用するのかといった点については、現時点では明確に定められていないそうです。

とはいえ、現時点で診断書を取得するのは非常に簡単で、実際には「医療目的の書類」というよりも、所定の費用を支払えば即日で誰でも手に入れられるようなものでした。

なお、今回発行されたのは「Medical Certificate(医療証明書/診断書)」という形式の書類ですが、実際にはこれが処方箋としての役割も兼ねており、今後の大麻購入時に必要とされる文書になります

実際に処方箋を取得してみた|バンコクの医療大麻クリニックでの流れと費用

He Clinicの外観

He Clinicの外観2

バンコク・トンローに位置するHE Clinicは、男性の健康や美容を専門とするプライベートクリニックです。

しかし同時に、タイ保健省に正式登録された医療機関であり、医療大麻クリニックとしての認可も受けている数少ないクリニックでもあります。

当局の許可のもと、大麻製品の使用を推奨する診断書(Medical Certificate)を発行することが可能です。

今回筆者は、実際に医療大麻の診断書を取得できるのかどうかを確認するため、事前にクリニックにメールで問い合わせてみました。

返ってきた回答は非常にシンプルで迅速なもので、「診断書は即日発行可能。費用は500バーツ」とのこと。
そのレスポンスの速さと手軽さに後押しされ、訪問を決めました。

当日、持参したのはパスポートのみ。予約も不要で、そのまま来院しました。

わずか15分で診断書を発行。診察らしい診察はほぼなし

He Clinicの受付

クリニック到着後、「事前にメールをした〇〇です。医療用大麻の診断書を発行してもらいたくて来ました」と伝えると、受付スタッフは丁寧に対応してくれ、まずは問診票の記入を案内されました。

He Clinicの問診票

その後すぐに診察室に呼ばれ、医師による問診が開始されます。
──といっても、実際には医療的な診察とは言えないような内容でした。

He Clinicの診察室

筆者は「不眠症」という申告で来院したのですが、不眠症についての質問は一切なし

医師との会話は、「今回の大麻に関する法改正」や「今後の制度変更の見通し」など、業界全体の混乱についてが中心でした。

患者と医師のやりとりというよりは、ディスペンサリーの店員と客の会話に近い印象です。

一通り会話が終わると、医師は「じゃあ診断書を作るから、受付で少し待っててね」と一言。
そのまま受付で数分待つと、医師の署名やライセンス番号が入った正式な診断書が手渡されました

タイの大麻処方箋

クリニック到着から診断書の受け取りまで、所要時間は約15分程度
非常にスムーズで、実質的には「希望すれば誰でも即日取得できる」印象でした。

診断書があってもなくても…今は“様子見”が正解かもしれない

診断書を発行してくれる医療大麻クリニック自体は、バンコク市内に複数存在しており、英語で少し検索すればすぐに見つかる状況です。

選択肢に困ることはないでしょう。

また、言葉に不安がある方には、日本語が通じる「Greeus®︎ Medical Cannabis Clinic Bangkok」など、日本人経営のクリニックに問い合わせてみるのも一つの方法です。

とはいえ、2025年6月28日時点では、制度はまだ完全には固まっておらず、情報も錯綜しています。
加えて、現時点では14〜60日の猶予期間内ということもあり、診断書がなくても大麻を購入できる店舗が大半です。

つまり、今すぐに診断書を取らなければ何も買えない、という状況ではありません

私たち消費者としては、制度の動きを注視しながら、必要に応じて準備していく程度で問題ないでしょう。

たとえば在住者の中には、診断書制度が完全施行される前に、あらかじめ農場から直接買いだめしておくという対応をしている人もいます。筆者の周囲でも、そういった動きをしている人は少なくありません。

関連記事バンコクで高品質で香り豊かなオーガニック大麻を!チェンライの農家より直送1g170バーツ〜

旅行者の場合、買いだめという選択肢は現実的ではありませんが、「診断書が必要になる可能性がある」という認識だけでも持っておくと安心です

加えて、渡航前にアクセスしやすい医療大麻クリニックの候補を一つ探しておくのも良い備えになります。

なお、今回の体験を通じて筆者が正直に感じたのは、現時点での診断書の取得はあまりにも簡単すぎるということでした。

もちろん、パスポートの提示が求められるため年齢制限など最低限の管理は行われているものの、結局のところ「これまで娯楽用として広く使われていた大麻を、形式上クリニックを通すことで“医療”にすり替えただけ」とも受け取れます。

しかし、こうした“建て付けの甘さ”や“柔軟さ”もまた、タイらしいとも感じました。

いずれにしても、制度がどのように運用され、どこまで厳格化されていくのか──今後の動きを見守りたいところです。

関連記事

● 再び揺れるタイの大麻政策
カオサンの現場で聞いた大麻ショップ店員たちの声
規制が始まりつつある中、現場は今どうなっているのか?
カオサン通りのディスペンサリーで働く日本人たちを取材しました。

● マイク・タイソンも登場!
タイ・バンコク420フェスの現場から見る“いま”の大麻カルチャー
年に一度の祝祭「Thailand 420」。世界中のストーナーが集ったバンコクのフェス現場をレポート。

● タイで医療大麻を使うという選択
慢性的な痛みと闘う30代男性が見出した“救い”
交通事故による後遺症に苦しむ日本人男性が、医療大麻に救いを見出すまでの実話インタビュー。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です