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タイでは、日本文化を愛する人々に出会うことは珍しくありません。アニメや漫画、ラーメンや寿司といった食文化は、すでにブームを超えて日常の一部になっています。
その“現代日本カルチャー”とは別に、日本の侍文化を本気で愛するタイ人たちがいることをご存じでしょうか。
彼らの名は「Siam Samurai Club」。20人以上のメンバーが集うコミュニティで、甲冑や兜のコレクションを披露したり、戦国時代さながらの演武を行ったりと、タイ国内で幅広く活動を展開しています。
私が彼らの存在を知ったのは、カオサン通り近くのカルチャーハブ・ホステル「AREA81」で行われたイベントでした。
招かれて足を運んだその日、会場には本格的な甲冑を身にまとったタイ人たちの姿があり、その光景に思わず目を奪われました。
その熱量に惹かれ、メンバーの皆さんに話を聞かせてもらいました。今回はそのインタビューをもとに、タイ人の視点から見た「侍文化の魅力」を紹介します。
タイで生まれた侍コミュニティ「Siam Samurai Club」

Siam Samurai Clubのメンバー達
Siam Samurai Clubは、20人以上の社会人メンバーで構成されるコミュニティです。
日本文化への深いリスペクト、なかでも日本の歴史や侍への強い憧れを共有する仲間たちによって設立されました。
活動のきっかけは、FacebookなどのSNS。
日本の武将や甲冑を愛するタイ人たちが交流を重ねるうちに、自然とコミュニティが形づくられていったといいます。

Siam Samurai Clubの代表
代表は、12歳の頃から侍文化に惹かれ続けてきた人物です。
ヤフオクやメルカリを通じて日本から鎧を収集し、価格は数千円のものから30万バーツ(約120万円)を超えるものまで幅広いそうです。その情熱は、単なる趣味の域を明らかに超えています。
とはいえ、彼らは鎧を集めて着るだけのコスプレ愛好家ではありません。根底には武士道精神への敬意があり、日本史や戦国時代の背景を学ぶ姿勢も真剣です。
タイ人メンバー同士で日本史の文献を読み合い、オンラインで情報を共有することも日常的に行われています。
日本の武将を“心の師”と仰ぎ、日々の生活や仕事にも武士道の教えを重ねる。そんな誠実な一面こそ、このコミュニティの最大の魅力といえるでしょう。
メンバーの間で特に人気の武将を尋ねると、「石田三成」の名が挙がりました。秀吉への忠誠心、一途な正義感、そして知略に満ちた人柄。その生き様は、日本人のみならず、タイの人々の心にも深く響いているようです。
信仰と暮らしと魂が宿る日本文化コレクション
カオサンのカルチャーハブ・ホステル「AREA81」で開催されたイベント「Soul of Samurai」では、Siam Samurai Clubの多彩なコレクションが展示されました。
日本人の目から見ても、その洗練された美意識と構成には驚かされます。

Soul of Samuraiのフライヤー
鎧だけでなく、能面や日本人形、神輿、信楽焼のたぬきなども並び、信仰・生活・魂といった面からも日本文化への理解が感じられました。
さらに印象的だったのは、展示された鎧の中に、日本から購入したものだけでなく、実際に日本の甲冑職人に学んだ技法や史料をもとにメンバー自ら制作したものもあったことです。
そこには、単なる“憧れ”ではなく、日本文化への真摯な敬意と学びの姿勢が息づいていました。
日本人として、他国の方がここまで日本文化を敬愛している姿を目の当たりにし、胸が熱くなりました。
Siam Samurai Clubの活動と最新情報
Siam Samurai Clubはタイ各地で、コレクション展示のほか、侍剣劇や撮影会、ワークショップなど多彩な活動を行っています。
日本文化をテーマとするコミュニティらしく、イベントも日本と関わりの深い場所で開催されることが多く、たとえばAREA81のイベントをはじめ、タイ大手小売グループ「ザ・モール」主催の日本文化紹介イベント「ジャパンディスカバリー2025」、さらに「ジャパンエキスポ」などにも出演実績があります。
最新の活動情報は、FacebookまたはInstagramの公式ページで随時発信されています。
Siam Samurai Clubの世界に触れてみたい方は、ぜひチェックしてみてください。
Siam Samurai Club
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